ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

10-5 紙の白さ

 紙の色は赤や青、黄色などいろいろありますが、それは着色した色紙で、一般的に紙といったら白系統が多いですよね。でもこの白色は、原料由来の色というわけではありません。紙の原料はいろいろありますが、現在圧倒的に多いのは、木材など植物系の原料で、その色は本来「茶色系統」なのです。それを薬品などで晒して漂白していくことで、白色度を増しています。それで市販の紙は、茶色系統のもの(クラフト紙など)から白系統のもの(印刷用紙など)が多くなっているのです。
 一般的に白い紙の方が清潔感や高級感があり、さらに着色などの融通がきくので茶色系統より好まれています。特に印刷という面では、紙の白さは印刷物のコントラストを表現するのに非常に重要な要素で、出来上がった印刷物のイメージに大きく影響します。
 ただし単純に白ければ白いほど良いというわけではありません。白と一口に言っても、さまざまな白があるため、その用途に最適な「白さ」を持った用紙が必要とされるのです。写真を印刷するのには、インクがきれいに発色するような白さが要求されますし、大学ノートや本など、文字を読むための用紙には薄いクリーム色に近い目に優しい白さが喜ばれます。逆に白さを強調するため蛍光塗料を添加した、輝く白さが求められる場合もあります。人の目は青みがかった白を「白い」と感じる傾向があるので、青い染料を添加する場合もあります。


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