ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

8 紙の歴史

 紙は何千年も前に発明され、どんどん改良されて今に至っています。今後も改良を重ねて、もっと使いやすくて美しい紙や、思いがけない使い方の出来る紙が出来ることでしょう。

8-1 紙の誕生前(紙として利用されてきたもの)

(1) パピルス
 古代エジプトで使われていたパピルスは、パピルス(草の名前)を薄く裂いて縦横に並べ、圧力を加えて脱水し乾燥させたものです。英語のpaperの語源でもあるパピルスで紙の歴史が始まったと思われていますが、パピルスはその製造途中で「水の中に分散させて(すいて)いない」ので、JISの紙の定義では、まだ「紙」とは言えないのです。

※ただし、紙の定義を「細い繊維状のものを原料にしたもので、「水ですく製法」と「乾式製法」の両方がある」とする場合は、パピルスが紙の起源とされることもあります。

(2) 羊皮紙
 主にヨーロッパで使われていた羊皮紙は、羊の皮を液に漬けて毛を削り取ってから木枠に張って乾かし、表面を磨いたものです。

(3) 粘土板
 主にメソポタミアで使われていた粘土板は、柔らかく湿った粘土を平らにして、葦の茎を押し付けることで楔形の文字を刻んでから、乾燥させたり焼いたりして文字を保存できました。

(4) 木簡・竹簡
 古代の中国や日本などで使われていた、木や竹を、墨で筆記できるように細長い板にしたものです。紐などで何枚かを束ねて使用することも多く、古代の遺跡から数多く発掘されています。丈夫で、削って再利用できることから、紙が普及してからも荷札などで使われました。

(5) その他
 その他、岩や石、亀の甲、動物の骨、ヤシの葉、絹の布なども文字の記録に利用されてきました。


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