ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

10-1-5 紙の目の見分け方

 洋紙を使うときには、紙の目に留意するのが必要ですが、肉眼でみてもほとんどわからない紙の目を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか。一般的な見分け方について紹介します。
 また、コピー用紙でこの見分け方を実験した結果についても、参考までに記述します。残念ながら実験ではうまく見分けられなかった方法もありましたが、紙にはいろいろな厚さ硬さのものがありますので、見分け方にも相性があるのだと思います。この実験でダメだった方法も、他の用紙ではうまくいくのだと思いますので、関心のある方はいろいろ試してみてください。
 印刷されて本や雑誌になった紙の場合には、上下方向が縦目です。紙は縦方向より横方向に伸びやすいので、横目の紙だと印刷時に見当が狂いやすいし、上下に丸まってしまって、揃いにくいからです。また紙は横方向に曲がりやすいので、ページをめくりやすいという理由もあります。

(1) 破る・折る
 見分ける方法の一つは「折ってみる」ことです。コピー用紙のように同じ包みに入っている紙は、すべての紙が縦横同じ方向のはずなので、その一枚を折ってみて、折れ方の差を調べてみましょう。素直に折り曲げられる方が紙の流れ目方向で、抵抗感のある方が流れ目に垂直な方向になります。また紙の角を45度に緩やかに折り曲げてみて、傾く方向で判別することもできます。
 「破ってみる」のも見分ける一つの方法です。破れやすい方(きれいにまっすぐ裂けて破れる方)が流れ目方向です。
(と、書いておいてアレなんですが、手元のコピー用紙や雑誌の紙を数枚折ったり破ったりしてみたんですが……正直あまり違いが判らなかったんですよね……どちらかと言うと「折る」方がよりわかりやすい感じがしましたが……。でもこの方法が一番「一般的な見分け方」のはずなんですが……。)

(2) 丸める
 紙を筒状に丸めてみると、丸めやすい方が流れ目方向です。方向を変えた同サイズの長方形を2枚切って、くるっと丸めて、曲がりやすさで判別することも出来ます。
(手元のコピー用紙でやってみて、一番分かりやすかったのがこの方法でした。縦方向が明らかに丸めやすかったです)
 別な方法としては、紙を縦と横で一本ずつ短冊状に切り、二本の片方の端を重ねて持って水平にしてみましょう。縦目の方はあまり曲がりませんが、横目の方は急に曲がります。縦方向には繊維が並んでいるので抵抗があって曲がりにくいのですが、横方向には曲がるのです(これも実験してみましたが、簡単に確かめられました)。

(3) すかして網の状態をみる
 あまり厚くない紙の場合は、すかしてみて網のあとの状態で見分けられます。
(手元のコピー用紙でやってみて、二番目に分かりやすかった方法です。縦方向の網のあとが見分けられました)。

(4) 紙に水をつける
 紙に軽く水をつけると、水のついた部分が内側にカールしていきます。カールの軸になった方向が流れ目の方向です。また湯気にあてると、流れ目に平行な方向に曲がります。
(手元のコピー用紙でやってみて、三番目に分かりやすかったのがこの方法でした。水をつけると、濡れた部分がカールするのですが、そこに軸(縦線)ができるので、流れ目が分かるのです。
 ちなみに水を使う紙の目判別方法としては他に「紙を水に浮かすと紙の目方向にカール(上に反り返る)する」という方法があるのですが、コピー用紙で実験してみたところ、紙全体が水の中にしだいに沈んでいって、よく見ると紙の四つの角すべてが一番沈んだ状態で下がっていく……という状態になり、判別方法通りに「カールする(上に反り返る)」という状態にはならなかったので判別不可能でした。後日、もう少し厚めの雑誌で再挑戦してみたら、この状態(上に反りかえる)になって判別できました。やっぱり見分け方には、紙によって相性があるようです。

(5) サイズ表記を見る
 紙を破ったり濡らしたりしたくないという場合は、ラベルを見るという方法もあります。ラベルに表示されている寸法は、通常「紙幅×流れ」となっています(このように記載するというルールがあります)。四六判なら縦目の用紙は「788×1091」(横寸法が縦寸法より小さい)、横目の用紙は「1091×788」(横寸法が縦寸法より大きい)と表示してあるのです。つまり「788×1091」と表記してあったら、「流れ目」は長辺に平行しているということになります。(ただし……手元のプリンタ用紙には「A4」としかサイズ表記されていません……この場合はサイズ表記からの判別は不可能ということになるのでしょうか……)


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