ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

10-3-5 紙の水張(みずばり)

 ペーパークラフトの場合、水分による紙の歪みに悩まされることは、それほどないのですが、水彩画を描く人にとっては、紙の歪み対策が必要です。
 紙は水に濡れると繊維が伸びるため、水彩画を描く時に、水気の多い絵の具のせいで紙がたわんで波打つと、へこんだところに絵の具が溜まったりして描き難いばかりか、完成後の見栄えも悪くなってしまうのです。
 これを避けるため、描く前に紙を「水張」します。水張とは、紙を濡らして板に張り付け、四辺をテープで固定して乾燥させるというもので、どんな紙にも応用できます。いったん乾いた紙は、太鼓の皮のようにピンと張っているので、水で濡らしても、反ったり波打ったりしません。ここでは「水張」の方法を紹介します。

(1) 水張の準備
 作業をする場所は、風呂場か大きなシンクのある台所が良いでしょう。
 水張に必要なものは次の通りです。
・紙(水張をする紙です)
・水張用テープ(白色または緑色の紙テープで、裏に糊がついています。この糊の面に水を付けて使います(画材屋や文具店で販売しています))
・ベニヤ板(他の板でも可。水張する紙より一回り大きいサイズで、5mm程度より厚いものが良いでしょう。ホームセンターで販売しています)。
・ハケ(やわらかい毛のもの。画材屋や文具店、ホームセンターで販売しています)。
・バケツ
・雑巾
・鉛筆

(2) 水張の方法
 水張の手順は次の通りです。

1 紙を仕上げのサイズより少し大きめに切ります。
2 水張テープを4本(紙の上下左右の長さより少し長めに)切っておきます。水張テープは水を使う前に切っておきましょう。水を使ってからテープを触ると、テープの糊が手についてしまいます。
3 紙にきれいな水をたっぷり含ませます。風呂桶につけるのが理想ですが、流れる水道水で両面を全体的に濡らしても構いません。
4 濡れた紙を垂直にして余分な水分をきります。
5 紙より一回り大きな板に紙を載せて、紙と板の間に空気が残らないように、紙を十分に伸ばします (空気が残っていると、乾いた時に、そこが歪んでしまいます)。
6 紙の四辺をテープで固定します(水張用の紙テープなど)。
7 板を水平状態で放置し、日陰で半日以上(一晩)乾かします。

 こうして水張した紙はピンと張りつめているので、水気の多い絵の具を塗っても、反ったり波打ったりしません。


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