ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)

2-1-6 マクロレンズ

 マクロレンズは、被写体に数センチまで近接して撮影するためのレンズ。小さいものを大きく写せるほかに、ボケを気軽に楽しむことができます。
 マクロレンズを選ぶ場合には「最短撮影距離」と「撮影倍率」に注意しましょう。
 この「最短撮影距離」は、コンパクトカメラの場合は、レンズの先から被写体に何㎝まで近寄れるかという数値になっていることが多いのですが、デジタル一眼レフ用交換レンズの場合には、撮像面(CCD/CMOS)から何cmかがレンズの最短撮影距離となっているので、注意が必要です。「被写体からレンズ前面の距離」のことは、「最短撮影距離」ではなく「ワーキングディスタンス」と言います。
 また「撮影倍率」は、被写体をどれほど大きく写すことができるかという数字です。この倍率が大きいほど被写体を大きく撮影できます。だいたい通常のズームレンズでは約0.25倍、マクロ機能を持つレンズなら約0.4倍程度に写せるのが一般的なようです。本格的なマクロレンズでは、撮影倍率が1倍で、被写体と同じ大きさの像を撮像素子上に写すことが可能なものもあります。マクロレンズはこの撮影倍率が高いので、まるで虫眼鏡ででも見たように大きく花を拡大して写せるのです。
 またマクロレンズは被写体を大きく写すことに加えて、背景ボケが出ることで幻想的な画像が得られます。
 マクロレンズには広角・標準・望遠等の焦点距離とは違う「焦点距離」があります。マクロレンズの焦点距離としては、50-70mm前後のものを「標準マクロ」、100mm前後のものを「中望遠マクロ」、200mm前後のものを「望遠マクロ」と呼んでいます。焦点距離が短いマクロレンズは被写体より数cmまで接近しなくてはなりませんが、焦点距離の長いマクロレンズは多少離れた位置からでも同じ大きさで映せます。つまり焦点距離の長いマクロレンズを使えば、必ずしも被写体に数センチのところまで接近しなくても被写体を大きく撮影できるということです。
 焦点距離の違うマクロレンズごとの特徴は次の通りです。

・標準マクロレンズ:
 標準マクロレンズは、焦点距離が短いため背景はさほどぼかせないものが多い反面、コンパクトで取扱いやすいという特徴があります。またこの背景がぼかしにくいという特徴を逆にいかして、クローズアップした高山植物の背景は紅葉の山脈というような撮影も出来ます。

・望遠マクロ:
 望遠マクロは、背景を単純化して被写体をひきたてながら、昆虫など近づきにくいものを撮影するのに向いています。

・中望遠マクロ:
 中望遠マクロはこれらの中間的な存在で、マクロレンズとしては汎用性が高く一番使いやすいです。

 マクロレンズは、被写体を大きく撮影するために、手ぶれが目立ってしまいがちなレンズです。できれば手持ちではなく、三脚を使って撮影しましょう。

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