ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

5-1-2 代表的な洋紙(3)アート紙(4)コート紙

(3) アート紙(塗工紙・両面で40g/㎡前後(片面では20g/㎡以上))
 アート紙は、塗工紙の一種で、写真集やカタログなど写真の多い印刷物などによく使われる紙です。白く、表面が滑らかで、強い光沢があります。
 アート紙について詳しく紹介する前に、塗工(とこう)紙について説明します。
 塗工紙は、上質紙または中質紙を原紙にして、その上に白色顔料(ピグメント)を両面で15g/㎡以上塗工した用紙です。この塗工層を設けることにより、用紙表面の平滑性が高くなるとともに、インキの定着性もよくなり、濃度、色、光沢といった印刷品質が向上します。塗工紙は、原紙の種類(上質紙・中質紙)、塗工量、表面の仕上げ方(光沢・半光沢・非光沢)の組み合わせで各種あります。原紙が上質系のものは、略号にAが付き、中質紙の場合にはBが付きます。番号の略号は、数字が大きいほど塗工量が少なくなります。なお塗工量が12g/㎡以下の紙は「微塗工印刷用紙」と言われます。
 アート紙は、コート紙より塗工量が多く(両面で40g/㎡前後(片面では20g/㎡以上))、塗工紙の中では印刷用としては最高級のものです。美術書や本の口絵など、写真等の仕上がりや色を重視した印刷物に適しています。欠点は、表面が弱く折り曲げに弱いことで、コート紙より少し値段も少し高くなります。「片面アート紙」「両面アート紙」「つや消しアート紙」などがあります。

(4) コート紙(塗工紙・両面で20g/㎡前後)
 コート紙は、アート紙より塗工量が少ないものをいいます(両面で20g/㎡前後塗工)。オフセット、グラビア等の印刷適性もよく、白色度、光沢性、印刷品質を備えています。カタログ、カレンダー、ポスター、書籍、雑誌のカラーページ、パンフレットなどによく使用されます。アート紙に比べると品質は劣りますが、安価で、写真などの仕上りがきれいです。塗工量の少ない「軽量コート紙(両面で15g/㎡前後塗工)」や光沢を抑えた「マットコート紙」もあります。コート紙は、抄紙機と一体となって原紙にカラーを塗工することが一般的になってきています。


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