ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

2-2-2 インクジェット用紙(光沢紙、セミ光沢紙、マット紙、普通紙、両面光沢紙)

 インクジェットとは、インクを噴出して紙にドット(点)を打つ仕組みのことで、家庭用のパソコンのプリンタでは、最も一般的な印刷方式です。
 このプリンタで使用するために製造された紙がインクジェット用紙です。インクジェット紙は水性インキがすぐ乾く上に発色もよく、インクもにじまないという特性があります。表面に特殊なコーティング処理がしてあり、モノクロからカラー、そして写真等の高度な高精細カラーまで、多様な用紙があります。
 ここではインクジェット用紙の主な種類(光沢紙、セミ光沢紙、マット紙、普通紙、両面光沢紙)のうち、光沢紙、マット紙、普通紙について、その違いなどを紹介します。なおセミ光沢紙は、表面の光沢がやや抑えられている光沢紙ですので、光沢紙の一種だと考えてください。また両面光沢紙というのは、紙の両面が光沢用コートされている紙のことです(両面と書いていない普通の光沢紙は、片面のみを光沢コートされています)。
 なお光沢度には「グロス」と「ダル」と「マット」があり、それぞれ次の特徴があります。

・グロス:白色光沢度が65%以上の塗工紙。用紙、印刷面とも光沢感のある仕上がりになる。

・ダル :白色光沢度が30~50%の塗工紙。用紙は艶消し、印刷面は光沢感のある仕上がりになる。

・マット:白色光沢度が30%未満の塗工紙。用紙、印刷面とも艶消しの仕上がりになる。

(1) 光沢紙(こうたくし)
 光沢紙は、表面に光沢を持つ紙です。普通紙に比べて、印刷した際のインクの滲みが少なく、鮮やかな発色が得られるのが特徴で、平滑度が高く、高級感があります。
 光沢紙は基本的に4つの層から出来ています。印刷面から順に、画像形成層、インク吸収層、白地調整層、ベース紙です。画像形成層が表面の光沢の質感を出すとともに保護の役割を果たし、インク吸収層が印刷されたインクを素早く吸収し、白地調整層で白色度の強い白色を形成し、ベース紙(上質紙等)が紙の厚みを調整します。

(2) マット紙
 マット紙は、上質紙等をベースに、マット系の塗料を塗布した用紙のことをいいます。光沢紙よりも少しコート層が薄く、平滑度も少し低くなっています。この紙はインキが沈む性質があるため、強い色をつかっても落ち着いた仕上がりになります。「マット」とは、艶なしとか艶消しと言う意味で、用紙の光沢が抑えられているため、長時間見ていても目が疲れづらいという特徴があります。また普通紙と違って、色の滲みを抑えるコート層がありますので、きれいに印刷できます。

(3) 普通紙
 普通紙タイプのインクジェット紙は、コート層のまったくない普通紙と違って、滲み防止剤や耐水化剤で表面処理をしています。そのため普通紙(タイプ)の割には印刷の仕上がりが良いのが特徴です。また光沢紙やマット紙と違って、インク吸収層がありませんので、木工ボンドを使っても表面が剥れることがありません。光沢紙やマット紙に比べて美しさや高級感は劣りますが、接着やチョーキングなどの面では優れているので、ペーパークラフトの材料としては、最も安心して使用できます。


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