ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第4部 画像データと印刷の基礎知識

4 画像データのカラーマネジメント(色合わせ)

4-8 キャリブレーション

 ディスプレイとプリンタの色合わせというのは、その時々の照明や機器によっても違ってきて、プロにとってもとても大変な作業になるので、専用のハードやソフトが販売されています。色の再現にこだわりたい方は、このキャリブレーション・ツールを使ってみてはいかがでしょうか。
 キャリブレーションとは、測定器の狂いや精度を基準量を用いて正すことで、パソコンの世界では、主に「ディスプレイやプリンタ、スキャナーなどの色を入出力する機器で、色を正確に安定して再現させるために調整する」ことを言います。
 ディスプレイの色の標準化は、キャリブレーション・ツールがなくても、自分で「ディスプレイの調整機能(OSD)」を使って設定することが出来ますが、このツールがあれば、その作業が楽になるだけでなく、精度を高めることも出来ます。
 またキャリブレーション・ツールはディスプレイに適応するものがほとんどですが、製品によってはプリンタをキャリブレーションできるものもあり、これを利用すると写真補正作業全般を通して、さらに高精度に色合わせすることが出来ます。
 キャリブレーション・ツールには、「ソフトウェア」と「ハードウェア」の二種類があります。

(1) ソフトウェア・キャリブレーション
 キャリブレーション・ツール(ソフトウェア)を使用してパソコンの出力を調整する方法で、どんなディスプレイでも手軽に色合わせできます。ただしディスプレイの調整などの作業は少し面倒で、精度を上げるにはテクニックが必要になります。
 通常、このキャリブレーション・ツールには専用の測定器がついていて、ディスプレイ前につけて(ぶら下げて)キャリブレーションに必要なデータを測定し、その値に基づいて、ディスプレイの調整を行います。
 代表的な商品には、エックスライトのi1Display Proシリーズ、Color Munkiなどがあります。

(2) ハードウェア・キャリブレーション
 ハードウェア・キャリブレーション対応の、専用ディスプレイと測定器、専用ソフトウェアを使って、ディスプレイに対して直接色調整をする方法です。この方式を使うと、パソコン内部で出力を調整する必要がないので、全自動でディスプレイを高精度に調整してもらえます。専用ディスプレイは、機器の内部に高精度な色調整用のテーブルを持っていますので、価格は高くなりますが、初心者でも間違えずに高精度な調整ができます。
 ハードウェア・キャリブレーションに対応したディスプレイとしては、EIZOの ColorEdgeシリーズなどがあります。

<社内注:以下はAmazonでの販売がなくなっていたので上記の文章に変更した。>
・ナナオ EIZO ColorEdgeシリーズ→会社名がEIZOに変更された。
・NEC  MultiSyncシリーズ
・三菱電機 RDTシリーズ

スポンサードリンク