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第1部 本

自己啓発・古典&定番

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために(岸見一郎)

『アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために』1999/9
岸見 一郎 (著)


(感想)
 心理学の本としては驚異的ベストセラーとなった『嫌われる勇気』、『幸せになる勇気』の著者の岸見さんが、「アドラーはどんな人だったか」「アドラー心理学の基礎理論」など、アドラー心理学についての基礎知識を紹介してくれるとともに、アドラー心理学の見地から、どうすれば幸福に生きることができるかという古くからの問いにアドラーがどのように答えようとしているのかを明らかにし、どのように生きていけばいいのかという指針を示してくれる本です。
 日本ではフロイトやユングの名前はよく知られていますが、同じ時代に生きたオーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーの名前はあまり知られていません。でもアドラー心理学は、後の多くの自己啓発活動、たとえば『人を動かす』のカーネギーさんや、『7つの習慣』のコヴィーさんなどにも影響を与えています。
 アドラー心理学の大きな特徴は、幸福とは何か、健康とは何か、いかに人は生きていくのかということについて、非常に明確でしっかりとしたイメージを持っていることだそうです。
 例えば育児の面では、育児の行動面の目標として、1)自立する、2)社会と調和してくらせる、を掲げ、これを支える心理面の目標として、1)私は能力がある、2)人々は私の仲間である、というものを提示しています。
 アドラー心理学では、自立し、社会と調和してくらせるという適切な行動ができるためには、それを支える適切な信念(ライフスタイル)が育っていなければならないのです。そのために、子どもの不適切な行動に着目するのではなく適切な行動に着目し、勇気づけるために言葉をかけ、子ども自身が自分の力で人生の課題に立ち向かう援助をしなければなりません。
 そして精神的に健康であるということは、自己受容、他者信頼ができるだけでなく、他者貢献もできなければならないそうです。
 アドラー心理学の基本は、「自己責任」にあるようです。人生の意味は自分で決めるものなのです。
 さて、この本はアドラー心理学の入門書なのですが、最終章の「第5章 人生の意味を求めて」では、アドラー心理学を応用して、著者の岸見さんが「どのような指針を持っていきていくのか」を考察しています。ご自身の経験を通して考えたことを示してくれるので、とても参考になり、生き方について考えさせられました。アドラー心理学に興味のある方は、ぜひ一度、読んでみてください。
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 岸見さんの他の本、『幸せになる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教えII』、『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』に関する記事もごらんください。
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 岸見さんは、他にも『勇気の日めくり まいにちアドラー』、『困った時のアドラー心理学』、『個人心理学講義―生きることの科学』、『人はなぜ神経症になるのか』、『子どもの教育』、『性格の心理学』、『人間知の心理学』、『生きる意味を求めて』などの本を出しています。

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