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第1部 本

工作(紙以外)

大人の科学28和時計

『大人の科学マガジンVol.28(二挺天符式和時計) (Gakken Mook)』2010/7
大人の科学マガジン編集部 (編集)


(感想)
 自分で組み立てる和時計(二挺天符式)がついている本です。
 江戸時代に採用されていた不定時法では、夜明けと日暮れを基準にして時を刻んでいました。星が見え始める時を境にして昼と夜を区別し、それぞれを6等分して「明け六つ」「暮れ六つ」と呼んでいたので、同じ六等分でも「一つ」の長さが違っていたのです! そのため西洋から時計(一時間の長さが一日中同じで、現在の時計と同じ仕組み)が鉄砲と同じ頃に伝来しても、実用として使うことは出来ませんでした。でも、なんとかこの不定時法に対応させようと、昔の時計職人が知恵をしぼった工夫の一つが、この二挺天符式の和時計で、なんと昼と夜で別々の天符を使うというもの。もちろん付録の和時計も、昼と夜の天符が自動で切り替わるしくみを持っています☆ (注:天符とは、常に一定の周期で水平振幅運動を繰り返す調速機のこと)この不定時法の和時計として使う場合の時間の調整は、ちょっと面倒なようですが……(汗)、
 和時計の部品はプラスチックでできているものが多いので、ちょっと壊れやすいという弱点もあるようですが、「組み立ててその仕組みを知る」というのが主目的だし、3000円程度の低価格だということを考えれば十分だと思います。組み立てた和時計は半透明で、内部機構が外からも見えるので、たとえ動かなくなってしまっても、ちょっと渋いオブジェになります。
 そして、さすがは学研の「大人の科学」だけあって、雑誌の内容も充実しています☆
 江戸の時間や時計に関する歴史的・技術的解説から、相対性理論、体内時計など、時間に関する興味深い記事満載。さらにフルカラーの骨董時計の見事なコレクション写真集もあり、とても見応えがありました。なお、和時計は本と同じ大きさの箱に入っているので、組み立て前はそのまま厚い本として本棚に収納可能ですし、組み立て後は雑誌部分だけを取り外して、薄い本として本棚に収納可能です。
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 大人の科学マガジンシリーズの他の本、『パタパタ電波時計』、『テオ・ヤンセン式二足歩行ロボット』に関する記事もごらんください。
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 「大人の科学シリーズ」には、『大人の科学マガジン エジソン蓄音機』など、組み立てながら、楽しく「からくり」を理解できる素晴らしい付録つきの本がたくさんあります☆
 音楽好きの方なら、『大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル』や『テルミン』、『ミニエレキギター』で楽器を手作りするのも楽しいと思います。(『手をふれずに演奏できる電子楽器 テルミンmini+ 組立完成版』という本もあります。)
 また、時計に興味がある方には、『機械式時計講座』、『機械式時計入門』、『機械式時計大全: この1冊を読めば機械式時計の歴史や構造がわかる』という本もあります。

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