ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本
(しかけ絵本&技法、ペーパークラフト)

しかけ技法(日本の作家)

すぐ作れる材料&型紙つき

紙ワザ建築 世界遺産

『紙ワザ建築 世界遺産』2009/04
菊地 清 (著)


(感想)
 茶谷正洋さんの『折り紙建築 世界遺産をつくろう』と同じように、1枚の紙を切って、折って作る「立体折り紙」の本です。人気シリーズ「紙ワザ工房」の菊地清さんが、「紙ワザ建築」の作品とその作り方を紹介してくれます。
 この本には、東大寺大仏殿、万里の長城、アンコール・ワット、エッフェル塔、ピサの斜塔、コロッセオ闘技場などの世界遺産40点の型図と、作り方のポイントが収録されています。最初のページには、切り取って使えるケント紙が一枚、付録としてついています(型紙が印刷されていない無地のケント紙です)。
 用具や材料、基本テクニック、実技入門・制作プロセスなどの解説があるので、その通りに作っていくと、白くて美しい建築物などが、立体的に立ち上がってきます。
 この本では、「紙ワザ工房」の菊地清さんらしい丁寧な解説で、「切る、折る、組むの基本テクニック8種」を教えてくれます。その8種とは、「平行折り」、「ジャバラ平行折り」、「合わせ差し込み」、「斜め折り」、「かぶせ折り止め」、「ボックス折り止め」、「湾曲折り止め」、「側方折り止め」なのですが、このうち少なくとも「湾曲折り止め」、「側方折り止め」を使った作品は、立体カードとして使用する場合には、気をつけなければいけない点があります。紙ワザ建築作品を組み立てる時に、台紙の「止めるツメを差し込む部分」に部品を差し込んで留める必要があるのす。つまり普通の立体カードのように、単純に「開くと自動的に立体的に建物が立ち上がる」というものではなく、カードを貰った人が、「開いて、指示通りに台紙のツメに部品を差し込むと、立体的に建物が立ち上がる」というものなのです。もっとも、このような留意が必要な作品は少なく、大部分の作品は、普通の立体カードとして使用できる(開くと自動的に立つ)作品ですし、そもそもこの本は、立体カードの本ではなく、紙ワザ建築で世界遺産を作る本なのですが……。それにコロッセオ闘技場などの作品は、「側方折り止め」を使うからこそ、あの美しい円形の建物を表現できるのだとも思います(汗)。
 なお、型紙はコピーして、ケント紙などに重ねて使用するのですが、この本も、ページがケント紙なみの硬さとコシのある紙に印刷してあるので、出来上がりの美しさにこだわらない方は、型紙を切り離して、そのまま材料として利用しても良いのではないかと思います(小声)。ただしこの方法を使う場合は、「型紙がなくなってしまう」「本全体の半分の作品しか作れない(型紙には表裏に2作品が印刷されている)」「作品に解説や黒い線が残ってしまう」「作品の裏に模様が残る」というデメリットがあることを覚悟する必要がありますが……。
 丁寧に切り抜くのはちょっと面倒ですが、自分で作ったタージ・マハルなどの建物が立ち上がってくるのを見ると、その美しさに嬉しくなってしまいます☆
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 菊地 清さんの他の本、『ポップアップカード入門』、『しかけ絵本の基礎知識 実技編〈1〉平行折り・斜折り』、『ペーパークラフト 紙ワザ工房―平行折りと基本テクニック』、『はさみで5分、初めての立体カード』、『紙仏巡礼』に関する記事もご覧ください。

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