ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

動く&錯視錯覚の本

錯視錯覚技法

錯視完全図解

『錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか? (Newton別冊) (2007)』
北岡 明佳 (監修)


(感想)
 錯視について、豊富な図を駆使して総合的に解説している本です。心理学的アプローチでの「錯視」が中心なのですが、エッシャーなどで有名な、不可能図形、だまし絵に関する記事もあり、錯視についての多角的・網羅的な内容となっています。
 次の6章で構成され、それぞれに高精細な錯視図と説明があります。
 1 動く錯視
 2 明るさと色の錯視
 3 あらわれたり消えたりする錯視
 4 形の錯視
 5 だまし絵・その他の現象
 6 錯視とは何か
 このうち1~5までは、各分類の錯視図や錯視現象の例示と説明で、6は、そのうち比較的原因が分かっている錯視について、錯視と脳の関係を解説しています。ただし、6のページ数がこの本の1割にも満たないこと自体が端的に物語っているように、「錯視」は、現象はよく知られているものの、原因はまだ解明されていません。実は、「錯視の仕組み」を理解しつくす、ということは、まだ出来ないのが現状です。
 それでもこの本『錯視完全図解』は、表紙の絵を見るだけでも価値があります。この図、じっと見ている円はあまり動かないのに、なぜかその周りだけは、うねうね動きます。この図は表紙だけでなく、中の記事にもあるのですが、記事の文字の部分を読んでいる間にも、隣で勝手にうねうねしまくります(笑)。この気持ち悪い感じったら、ありません! この不思議な感覚は、他の本では味わえないという意味で、とても貴重です☆
 他にも「本を前後すると、なぜか回転を始める」「まっすぐなのに傾いて見える」「同じ明るさなのにちがってみえる」「消えたり,あらわれたりする」……困った絵が満載です。自分の目が信じられなくなる感覚をぜひ味わってください。そして……この「物理的には静止しているのに、なぜか動いて見える」現象は、多くの人間に共通に感じられる感覚だ、という不思議さに思いをはせてください☆
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 錯視について総合的に紹介しているNewton別冊には、2013年に新しい号『錯視と錯覚の科学』が出ています。この本(2007)の後に、さらに進んだ研究の成果がまとめられた本ですので、それに関する記事もご覧ください。なお、この『錯視完全図解』のうち主要な錯視図は、新しい本にも入っています。研究が進んでいるので、「なぜ錯視が起こるのか」に関する解説も増えています。どちらを購入するか迷う場合は、新しい号をお勧めします。ただし、こちらの古い号の方が、錯視図の数が多くて分かりやすいという面もありますので、できれば両方をご覧ください。
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 Newton別冊の他の本、『錯視と錯覚の科学』、『筋肉と技の科学知識』、『完全図解 周期表』、『地震研究の最前線』、『くすりの科学知識』、『人体 完全ガイド』、『脳のしくみ』、『ゼロからわかる人工知能 仕事編』に関する記事もごらんください。
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 北岡明佳さんには、他にも、『錯視入門』、『人はなぜ錯視にだまされるのか?』、『だまされる視覚 錯視の楽しみ方』など多数の本があります。
 また、別の作家の本ですが、錯視について学べる本には、『ナショナル ジオグラフィック〔DVD〕 錯覚の不思議 あなたの脳はだまされる!』、『錯覚学─知覚の謎を解く』、『ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ』、『脳はなにを見ているのか』、『「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる』などもあります。

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