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第1部 本

医学&薬学

「なぜ薬が効くのか?」を超わかりやすく説明してみた(山口悟)

『「なぜ薬が効くのか?」を超わかりやすく説明してみた』2024/9/18
山口 悟 (著)


(感想)
 有機化学の博士で薬理学に精通する山口さんが、「薬が効くしくみ」を化学の視点で分かりやすく解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
第1章 薬が効くまでの道のり
第2章 「発熱」と「痛い」はなぜ起こるのか
第3章 アレルギーの鍵穴を埋める
第4章 体を襲う菌・ウイルスと戦う
第5章 生活習慣病を化学する
第6章 じつは奥深い胃腸薬の世界
第7章 より安全な精神科の薬はどうやって生まれたか
第8章 倒すべきは自分由来の細胞
第9章 自分を守るはずの免疫が、病気の原因に
   *
「第1章 薬が効くまでの道のり」には、次のように書いてありました。
・「薬は、病気に応じて体内の特定のタンパク質に結合します。そして、そのタンパク質のはたらきを強めたり弱めたり、完全に停止させたりして、体に影響を与えるのです。」
・「(前略)基本的に薬は水などのシンプルな分子よりは大きく、タンパク質よりは小さなサイズになります。」
   *
「錠剤を飲むと、まずは食道を通り、小腸に達します。その頃には錠剤は溶けており、有効成分が放出されています。それらはおもに小腸から吸収され血管を通り、肝臓に届けられます。」
 ……薬は肝臓で異物として解毒作用を受けますが、そこを通過できたものが血管を通って心臓に入った後、さらに全身に送られて、薬の有効成分が血管の壁を通り抜け、全身の細胞へと到達するそうです。
 ……ということは「体の悪くないところにも、やっぱり作用してしまうんだよね?」と不安になりましたが、薬の有効成分はその場にとどまらず、再び血管に入り、肝臓や腎臓を経て最終的には排泄されるそうです。
 さて「タンパク質は、私たちの身体のいたるところにあり、さまざまな役割を担っています。例えば、髪の毛や爪、そして筋肉や臓器の主要な成分もタンパク質です。」
 ……その他、ヘモグロビンやリゾチームもタンパク質なのだとか……まさに体中がタンパク質で出来ているんですね。そして……
・「数あるタンパク質の中でも、薬が効く過程に深く関係しているタンパク質は、おもに「酵素」と「受容体」です。」
・「酵素」は、体内で起こる化学反応を促進するはたらきをもつタンパク質です。」
・「酵素は、一般的に構造の中に「くぼみ」があります。このくぼみに分子が結合すると、化学反応が引き起こされ、
A 大きな分子が小さな分子に分解される
B 新たな分子に変換される
 ということが起こります。」
   *
 ……ということで、薬はこの「くぼみ」を独占してしまうので、本来の働きをさせなくすることができるそうです。
「受容体の鍵穴に刺さる分子は、刺激を与えて細胞に情報を伝えたり、遮ったりする役割を担っています。分子を通じて、情報が細胞に伝わったり、制御したりして薬の効果が発揮されるのです。」
 ……なるほど! まさしく「薬は、病気に応じて体内の特定のタンパク質に結合します。そして、そのタンパク質のはたらきを強めたり弱めたり、完全に停止させたりして、体に影響を与えるのです。」なんですね!
 この「第1章 薬が効くまでの道のり」は、「なぜ薬が効くのか?」の基本を分かりやすく解説してくれて、すごく参考になりました☆
 続く「第2章 「発熱」と「痛い」はなぜ起こるのか」では、解熱鎮痛薬が効く仕組みを、「第3章 アレルギーの鍵穴を埋める」では、免疫系の仕組みや、抗ヒスタミン薬の働きを、「第4章 体を襲う菌・ウイルスと戦う」では、抗菌薬や殺菌、ワクチンの仕組みを、「第5章 生活習慣病を化学する」では、高血圧、コレステロール、中性脂肪の薬について、さらに「第6章 じつは奥深い胃腸薬の世界」、「第7章 より安全な精神科の薬はどうやって生まれたか」、「第8章 倒すべきは自分由来の細胞」、「第9章 自分を守るはずの免疫が、病気の原因に」では、胃腸薬、精神系の薬、抗ガン薬、自己免疫疾患の薬などについて、詳しい解説がありました。
 また、どのように創薬が進んできたのかについての紹介もあって、たとえば「眠気の起こりにくい抗ヒスタミン薬」は、脳に入りにくくするために、「水になじみやすい抗ヒスタミン薬」が開発されたそうです。
「(前略)目的にあった望みの分子を得るために、「化学的な構造を適切に設計する」ことが、医薬品の開発において重要なのです。」
 ……今後も、出来る限り副作用の少ない、効果の高い薬が開発されることを願っています。
『「なぜ薬が効くのか?」を超わかりやすく説明してみた』……まさにタイトル通りの本で、とても勉強になりました。薬に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。お勧めです☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『「なぜ薬が効くのか?」を超わかりやすく説明してみた』