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第1部 本

工作(紙以外)

本当に知りたいレザークラフトの「超」基本(藤田一貴)

『本当に知りたいレザークラフトの「超」基本』2025/9/10
藤田一貴 (著)


(感想)
 仕立物やカービング作品を制作する作家、工具・材料店の店主、そして教室や講習会の講師と、3つの立場からレザークラフトに深く関わってきたクラムレザークラフト代表の藤田さんが、至高の作品を作り上げるために日夜研究し続けて確立した技術や、顧客や生徒の悩み・相談を受けて解決に導いた技術の数々を、合理的な方法論に基いて、豊富な実例写真を使って詳しく解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
1 工具の仕立て・手入れ
2 仕立ての基本技術
3 仕立ての実践技術
4 型紙制作の基礎
参考型紙
『本当に知りたいレザークラフトの「超」基本』というタイトルだったので、超初心者向けの本だと思ったのですが、実はすでにレザークラフトはある程度は出来る人が、さらにステップアップするのに役に立つ本でした。
 というのも「1 工具の仕立て・手入れ」では、レザークラフトでよく使う道具一般に関する説明はまったくないまま、「手入れ」に関する説明が始まってしまうので、超初心者の私としては、戸惑ってしまったのでした……。
 最初のアイテムは「菱切り」で……
「新品の菱ギリは文字通りに刃が菱形で、抜き差しの際に抵抗が生じるため、広角の角を落として丸刃にし、抵抗なくスッと抜き差しできるように仕立てます。」
 ……新品のまま使うのは、お勧めできないようなのでした……「菱切り」という工具は、まずダイヤモンド砥石で角を削り落とした後、ミシン油を浸透させたルージュスティック台で研磨すると使いやすくなるようです。
 ……こんな感じで、すでに「菱切り」程度の単語(工具)は知っている人向けの本なのでした……。
 続く「2 仕立ての基本技術」では、トレース、裁断、手漉き、床面処理、接着、縫い穴あけ、糸と針の準備、手縫い、コバ処理、捻入れ、レースかがり、各種金具の取り付け、ファスナー、革の加工、染色などの技術について、とても具体的な「コツ」を教えてもらえます。
 例えば最初の項目は「トレース」。「パーツの裁断時、革に型紙をのせてアウトラインをトレースし、裁断面を引きます」、「使用する主な工具・資材:丸ギリ、ウエイト(重し)」。その正しい方法と、やりがちな間違った方法の写真&説明がありました。
 続く「裁断の刃の角度1」では……
「革包丁の刃は片刃のため、刃を入れる角度が裁断面(コバ)に影響を及ぼします。刃表の研ぎ面(角度の付いた面)を残す側(パーツ側)に向け、革に対して垂直にして刃を入れます。」
 ……こうするとコバが台形気味に切れるので、処理が容易になるそうです。
 さらに「接着」では、革を縫い合わせる箇所の仮貼りに使用する合成ゴム系接着剤の便利な保管方法と使い方として、乳酸菌飲料でよく使われる容量100ml程度のペットボトルを使う方法が、写真で詳しく解説されていました。接着剤とペットボトルに入れて、そのキャップに、小さな丸革をつけたダルマピンを指して使う方法なのですが、とても便利そうです。この方法は一般の工作でも使えそう。
「糸と針の準備」では、「手縫いに使用する糸には、撚り戻りや擦り切れを和らげるためにロウを引き、両端に張りを止めます。」という方法と、次の「手縫い糸の管理」がとても参考になりました。
「手縫い糸の管理:手縫い糸を数ミリ径のポンチ穴をあけたファスナー付きのビニール袋に入れ、そこから出した糸をクリップで止めておくと、すぐに出せて便利です。また不用意に転がしてしまった際に慌てる事もありません。ロウ引き糸の場合は特に、ゴミやホコリの付着を防げるというメリットがあります。」
 ……これもレザークラフトだけでなく、手縫いで手芸をする時全般で役立ちそうな技ですね!
 この他にも、途中で糸が足りなくなった時の糸のつなぎ方とか、曲線部で縫い穴位置にずれが生じる場合の目数の揃え方とか、細かいワザを詳しく教えてもらえます。
「3 仕立ての実践技術」では、口金印鑑ケース、口金メガネケース、ラウンドファスナー、サコッシュ、裏張りの貼り方、パイピング、ヌメ革の内縫い、ハンドル、手紐、ショルダーの接続、タッセルの作り方、ウォレットの折りグセ、ステッチの保護、について作り方の写真つきで解説してもらえます。
 口金メガネケース、ラウンドファスナー、サコッシュ、タッセルに関しては、巻末に「参考型紙」があるので、それを使って実際に作ってみることも出来ると思います。
 このうち「タッセル」は、初心者でも作れそうな小さなレザークラフトで、余った小さな革の有効活用でも作れるようなものなので、まずこれで前半の技術の一部を、実技で試してみるのも良いかもしれません。
 また「4 型紙制作の基礎」では、袋物の胴とマチ、ロングウォレット、口金印鑑ケース、口金メガネケースなどの型紙の作り方を、写真つきで解説してもらえます。
『本当に知りたいレザークラフトの「超」基本』……実際にレザークラフトをする時に躓きがちな点(端をかがる縫い始めをどうやるのか、縫い終わりの糸の始末をどうつけるのか、など)について、写真つきで具体的に解説してくれる本で、とても勉強になりました。
 レザークラフトは、自分の古い革鞄の一部を自己流でリメイクしてみたことがあるぐらいの超初心者でしたが……きれいに作るためには、さまざまな工夫が必要なんだなーと痛感させられました(えーと……革製品はプロに任せた方がいいのかも。専用工具も多そうだし、革は硬くて作りにくいし……なんて思ってしまったことはヒミツだ(苦笑))。
 初心者向けの本ではありませんが、すでにレザークラフトがある程度はできる方にとっては、とても参考になる本だと思います。さらに、レザークラフトの教室で教えている方にとっては、教え方のヒントも得られると思います。ぜひ読んで(眺めて)みてください☆

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『本当に知りたいレザークラフトの「超」基本』