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第1部 本

健康&エクササイズ

一般教養としてのサプリメント学(杉浦克己)

『一般教養としてのサプリメント学』2024/8/26
杉浦 克己 (著)


(感想)
 何のためにサプリを飲むのか? なぜサプリが必要なのか? そもそも、サプリとは何なのか? 納得して摂取するために知っておきたいサプリの現状とその背景を、メーカー側の視点も熟知する杉浦さんが分かりやすく解説してくれる本です。
「はじめに」には次のように書いてありました。
「本書は、サプリメントの正体とその扱われ方を周辺情報も含めて解説します。必要な栄養学や食事摂取基準等も内容に含めました。そこから日本人の食品・医薬品、健康に対する考え方や態度を読み取っていただきたいですし、読者の皆さんが、必要以上にサプリメントを怖がらず、といって過信もせず、サプリメントといいお付き合いができるようなヒントにしてもらえれば幸甚です。」
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 2024年現在、小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が腎臓疾患を発症したという健康被害が大きな話題になっています。「紅麹」という体に良さそうな成分が、余分なコレステロールを減らしてくれる……そんな良いイメージに満ちていたサプリメントが、むしろ腎臓にダメージを与えることがあったとは想像もしなかったので、とても恐ろしく感じた出来事でした。
 サプリメントなんて要らないかも、と思ってしまったのですが、実はすでに、サプリメントは私たちの生活に広く入りこんでいるようです。次のように書いてありました。
「(前略)スポーツドリンクもサプリメントといえるのです。同様に、スポーツでよく使われるバランス栄養食カロリーメイト(大塚製薬)、ゼリー飲料インゼリー(森永製菓)、低カロリー菓子アルフォート(ブルボン)などもサプリメントといえるでしょう。」
 ……ええ! アルフォートまでサプリメントなんですか? カロリーメイトもゼリー飲料も忙しい時の救世主だし……サプリメントはやっぱり必要なものですね! 本書でも、つぎのように言っています。
「(前略)医薬品は、緊急性があって、病気の治療の目的で使用されます。一方の食品は、日常性があって、健康に生きるため、病気の予防のために使用されます。サプリメントも食品なので、日常的に健康サポート目的および何らかの悩みを解決する目的で、使われるものだということです。」
 ……個人的には「薬」が好きではないので、錠剤のサプリメントとしては「ビタミン+マルチミネラル」ぐらいしか摂取したことがないのですが、「ビタミン+マルチミネラル」は忙しくて栄養不足が心配な時に、安心感を与えてくれるものでした(健康の役に立ったのかどうかは不明ですが、少なくとも害にはなっていませんでした……笑)。
 本書では、サプリメントだけでなく、人間に必要な「5大栄養素」についても詳しい解説があります。人間には次のようなミネラルが必要だそうです。
・カルシウム:骨・歯の形成、筋収縮、神経伝達
・鉄:酸素の運搬、呼吸酵素の成分
・ナトリウム:体液の恒常性維持、筋収縮
・カリウム:体液の恒常性維持、筋収縮
・マグネシウム:骨・歯の成分、糖質代謝酵素の活性化
・リン:骨・歯の成分、リン脂質の形成
・亜鉛:すい臓ホルモンの成分
・クロム:糖代謝機能の改善
・セレン:抗酸化
・銅:鉄の吸収と利用促進
・マンガン:糖質代謝等に関わる酵素の活性化
・ヨード(ヨウ素):エネルギー代謝の調節
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 そして各種ビタミンもそれぞれ大事で、コンディショニングを考える上で重要なのはビタミンB群とCなのだとか。
 これらは食事で摂取できるのが一番ですが、足りないときにはサプリメントを活用してもいいかもしれません。
「第6章 スポーツサプリメント」には、適切なサプリメントを摂取することで、各種スポーツ選手の体格・体組成改善と競技力向上を実現した事例についても紹介がありました。
 例えば、「減量指導(カロリーを抑えながらタンパク質やビタミン、ミネラル摂取にサプリメント活用)」とか、「低圧・低酸素環境での高地合宿サポート(プロテイン、ビタミン、鉄を中心にサプリメントの活用)」などで、良い効果があったようです。
 またアンチエイジングへのアドバイスとしては……
「栄養バランスについては、食事バランスガイドの構成要素である、主食、主菜、副菜、果物、牛乳、乳製品を意識して摂ることが大事ですが、特に身体をつくる主菜と牛乳、乳製品を意識することが望ましいでしょう。筋肉をつくるタンパク質、骨をつくるカルシウム、ビタミンD、K、さらにはB群とCが重要です。(後略)」
 ……などの他、筋トレを実施しカラダに刺激を与えた上で、若い人以上にタンパク質を摂取することが必要となることが書いてありました。
もちろんアンチエイジングのためのサプリの紹介(大豆イソフラボン、機能性ヨーグルトポリフェノール類、DHA・EPAなど多数)もあります。
『一般教養としてのサプリメント学』……サプリメントについての総合的解説だけでなく、栄養学についても詳しく教えてもらえるので、読んで損はない本だと思います。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『一般教養としてのサプリメント学』