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第1部 本
描画参考資料
神話・伝説・伝承 世界の魔法道具大事典(ベイン)
『神話・伝説・伝承 世界の魔法道具大事典』2024/9/27
テレサ・ベイン (著), 桐谷 知未 (翻訳), 庭田 よう子 (翻訳)
(感想)
不思議な力を持つ道具について1000を超える項目を収録する『神話・伝説・伝承 世界の魔法道具大事典』で、主な内容は次の通りです。
まえがき
序文
事典
参考文献
*
このうち「事典」には、あいうえお順で、世界各地に伝わる神話、伝説、おとぎ話、信仰に登場する、不思議で強大な力をもった品物(剣、衣服、宝石、器など)について、使い方や役割の解説(別名や類語、出典も)が掲載されています。
ただし「ノアの箱舟」などは掲載されていません。「まえがき」によると……
「(前略)わたしにとって、ノアの箱舟は神話のアイテムというより、神秘考古学的な人工物に近い。というわけで、目撃されてはいるが科学的に実在がまだ証明されていない未確認動物、キングチーターやビッグフットの例を踏まえて慎重になるほうを選び、ノアの箱舟の記載は控えることにした。ほかにも多くのアイテムが、このような理由から本書への収録を見送られている。」
また「序文」にも、実在する(していた)ことが証明されているものは除外した(存在しているので、分析したり、調べたり、触れたりすることが可能なものは除外した)と書いてありました。呪文と魔法学校、呪符も除外されているそうです。要するに……
「本書は、民話や伝説、神話に登場する、普通の人々や英雄、神々が使ったアイテムの包括的な百科事典となることを目的としている。」
……ということで、事典の先頭は、次の「アーカーシャ」から始まっていました。
・アーカーシャ
「サンスクリット語では、アーカーシャ(「空」または「空間」)という言葉は、万物に含まれる基本物質を指す。仏教、ヒンドゥー教、チベットのボン教では、創造的エネルギーの存在を説明するのに使われる。形はなく、見ることも、味わうことも、触れることもできない。表に出る唯一の特徴は、音あるいは振動である。アーカーシャは5大元素のひとつ。(後略)」
……うわー! 本当にこの本の先頭にふさわしいアイテム(?)ですね!
ちなみに日本のものの先頭は「天逆鉾」で……
・天逆鉾
「古代日本神話で、天逆鉾(「天の丘の柱」/「天の丘の竿」/「天の逆さになった鉾」/「天の逆さまの槍」)は、太陽の女神である天照大神の孫ニニギノミコトの武器だった。ニニギノミコトは、日本を統治するために天から遣わされた。伝説によると、ニニギノミコトは地上に降り立った際、日向の高千穂峰の山頂に天逆鉾を突き立てたという。(後略)」)
……こちらも日本のトップバッターとして、あまりにもピッタリなことに驚きました。
この他、次のようなものが掲載されています。
ギリシャ神話
アリアドネの糸、金の羊毛、クピドの矢、クロノスの大鎌、デイアネイラの媚槃、トロイアの木馬、パンドラの箱、ヒュドラの血
アーサー王伝説
エクスカリバー、円卓、ガラティン、クラレント、聖杯、フェイルノート、緑の鎧、ロンゴミアント
北欧神話
ギャラルホルン、グレイプニル、グングニル、ドラウプニル、ドローミ、ブリーシンガメン、ミョルニル、メギンギョルズ、レーラズ
インド神話
ヴィジャヤ、カルマリ、ガルダストラ、コダンダム、サクティ、バンチャカラ
*
そして巻末の参考文献も充実していますが……すべて外国語の本でした。これに関しては「まえがき」で推薦されている次の3冊を、まず読んでみるのが良いかもしれません。
<参考図書>
・フィリス・アン・カーのアーサー王伝説に関する本、『アーサー王の仲間たち』
・ハイン・イヴェット・グライムズの『北欧神話』
・H・A・ガーバーの『北欧神話』
*
『神話・伝説・伝承 世界の魔法道具大事典』……世界各地に伝わる神話、伝説、おとぎ話、信仰に登場する不思議な力を持つ道具について網羅的に解説してくれる事典で、とても参考になりました。
ただ……残念なことにイラストがほとんどなく、その道具がどんな形をしているのかが分かりにくかったです(そもそも神話や伝説の中に、その道具の形の説明がないのかもしれませんが……)。それでも、神話や伝説のアイテムは、自分で物語を書くときにヒントを与えてくれることが多いので、創作用の資料として使えると思います。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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『神話・伝説・伝承 世界の魔法道具大事典』