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第1部 本

健康&エクササイズ

睡眠にいいことベスト211(ジョーンズ)

『最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』2022/9/8
キム・ジョーンズ (著), 鹿田昌美 (翻訳)


(感想)
「よりよい睡眠」を目指す忙しい現代人のために、「科学的な裏づけにもとづくコツ」を211個も紹介してくれる本です。
 脳や身体の健康のために「睡眠」はとても重要な要素なので、これまでにも何冊か睡眠の本を読んでいましたが、それらを総合した感じの本で、「良い睡眠をしたいけど、今まで睡眠に関する本を読んだことはない」人にとっては最適な本の一つだと思います。その一方で、すでに何冊か本を読んでいる人にとっては、あまり目新しい内容はないかもしれません。それでも、少なくとも実行しても「害はない」感じの方法が多かったので、読む価値は十分あると思います。
 個人的に参考になった方法のいくつかを下に紹介します。
 まず「睡眠にいいこと021:やることリストは寝る前がベスト」。被験者をふたつのグループに分けて睡眠を調べたら、次のような結果になったそうです。
「最初のグループは、今後数日間にやるべきことのリストを5分かけて作成してもらい、残りの半分には、過去数日間にやり終えたことを書き留めてもらいました。
 興味深いことに、やることリストを書いたグループは約15分以内に眠りに落ちましたが、もう一方のグループは平均25分かかりました。さらに、リストが詳細で具体的であるほど、早く寝つくことができたのです。
 研究者たちは結果について、「やるべきことを紙の上に実際に書き留めるという行為」によって心が責任から解放され、頭が用事でいっぱいになって眠れなくなるという状況にならずに済むのだろうと推測しています。」
 ……これは「睡眠のテクニック」としては珍しい方法ですが、効果的なような気がします。
 ここでは単純な「やることリスト」を寝る前に書いていますが、同じように「心配タイム」を設ける方法も紹介されていました。
・睡眠にいいこと160:「心配タイム」をスケジュールに入れよう
「毎晩、就寝時刻に近すぎない時間(午後6時頃など)に、15分の「心配タイム」を儲けましょう。その間は悩み事に意識を集中するのです。」
「(前略)長期的に見ると、「心配タイム」を設けることで、心配する頻度が減り、心配事に費やす時間を大幅に減らすことができるのです。」
 ……これもとても良い方法のように思います。しかも「心配タイム」の方は、午後6時ぐらいに設けてあるので、考えているうちに具体的な対処を思いついたときに、それを実行する時間的余裕もあります。それがないと、思いついたことを早く対処してみたい……という考えで心がいっぱいになって、かえって眠れなくなりそうなので、「心配タイム」を寝る直前に設けるのは、やめたほうがいいと思います。
 この他にも、睡眠に良い食事法などもたくさん紹介されていました。これも睡眠以外でも「健康によい」と一般的に言われているものばかりだったと思います。
ここには「睡眠にいいこと087:カフェイン摂取は午後2時で終了!」と書いてありましたが……夕食後の一杯のコーヒーはリラックスのために必要なので……この方法には目をつぶろうっと……(笑)。
 また「睡眠にいいこと064:時計は文字盤が見えないくらい遠くに」という方法は、私もすでに実行済みで、とても効果的な方法だと思います。ここでは、「眠れないときに時計を見ると、「こんなに睡眠時間を逃したのか!」とストレスを感じてしまうからです。」と書いてありましたが、眠れないときだけでなく、目が覚めてしまったときに時計を見てしまうと、つい、そこまでの睡眠時間やその後の睡眠時間を計算して不安になってしまうので、「目覚めた時に時計を絶対に見ない」ことに決めたら、自然によく眠れるようになっただけでなく、眠れなくても不安にならなくなりました。
 また「睡眠にいいこと153:朝は光のシャワーを浴びよう」も、ごく普通にやることではありますが、24時間周期の概日リズム(自然な睡眠・覚醒サイクル)を維持するのに効果的な方法です。
 そして個人的に「良い眠りに一番効果がある」と実感している方法も、もちろん書いてありました。
・睡眠にいいこと195:何歳になっても運動は眠りにいい
「(前略)多くの研究から、活発に動くことが年齢に関係なく、良い眠りに大きな影響を与えることがわかっています。
 定期的に運動すると、寝つきが良くなり睡眠時間が増えます。それだけではなく、回復力のある深い眠りの時間が増え、中途覚醒を減らす効果もあるのです。」
 ……定期的にちょっときつめの運動をすることは、睡眠に良いことはもちろん、健康を維持するうえでも欠かせない習慣だと思います。
 本書では「睡眠にいい運動」の仕方もいくつか紹介されています。例えば「睡眠にいいこと031:空をもち上げてみよう!」では、「空をもち上げる」気功のやり方が書いてあり、「えー! それはステキ。空をもち上げてみたい!」と思って真剣に読んだのですが……残念ながら文章での紹介だけだったので、いまいち方法がはっきり分かりませんでした……運動の実際の方法についてイラストで紹介されていると、もっと良かったのになーと……その点が残念でした。
『最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』、良い睡眠を得るために「科学的な裏づけにもとづくコツ」を総合的に解説してくれる本でした。211もあるので、自分が取り入れやすい方法から少しずつ習慣化していくと、睡眠にまつわる悩みを改善していけるのではないでしょうか。みなさんも、ぜひ読んで試してみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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