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第1部 本

健康&エクササイズ

脳を守る、たった1つの習慣(築山節)

『脳を守る、たった1つの習慣―感情・体調をコントロールする (NHK出版新書 557)』2018/7/6
築山 節 (著)


(感想)
 60代を過ぎて老年期を迎えた脳は「鍛える」のではなく「守る」もの。「1日1頁、5分書くだけ」で、脳の機能は維持することができる……脳を守る、たった1つの習慣=健康ノートを書く方法を詳しく教えてくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 脳のメカニズム──生命・感情・理性から考える
1 脳の3層構造──生命・感情・理性の機能を知る
2 脳幹──負荷をかけず「守る」もの
(「脳幹」はすべての基礎 植物のような一定のリズムが大切)
3 大脳辺縁系──暴走を防ぎ「しつける」もの
(喜怒哀楽をやわらかくする 「ストレス・コーピング」で冷静な感情を取り戻す)
4 大脳新皮質──新たな情報に触れて「育てる」もの
(新たな情報に触れる「彩り」が生活に必要)
第2章 体調のコントロール──食事・運動・睡眠の基本を学ぶ
1 食事の基本──「食べる」は朝食で決まる
(食事は1日3回、なるべく同じ時間間隔でとる)
2 運動の基本──「動く」は日常生活で決まる
(日常に「ウォーキング」を取り入れる 積極的に「家事」を行う)
3 睡眠の基本──「寝る」は準備で決まる
(目覚め時には太陽の光を浴びる 毎日の就寝時間と起床時間を決める)
第3章 感情のコントロール──心構え・人間関係・仕事のコツを知る
1 心構え──感情に流されずに、立ち止まって思考する
2 人間関係──他人に左右されずに、自分らしく生きる
3 仕事──限界を知り、やるべきことを絞る
(ちょっとした行動を変えてみる)
第4章 究極の「1つの習慣」──1日1ページ、ノートを書く
(「書く」習慣の意味 「書く」習慣を定着させる3つのポイント)
   *
 脳を守る、たった1つの習慣は、「健康ノートを書く」ことですが、目次でも分かるように、それ以外のたくさんの活動方法も、詳しく教えてもらえます。築山さんのベストセラー『脳が冴える15の習慣』に近い内容も、かなり盛り込まれているのです。
「第1章 脳のメカニズム」では、「脳の機能的3層構造」には、「脳幹:生命の中枢(樹木の根)」、「大脳辺縁系:感情の中枢(樹木の幹や枝)」、「大脳新皮質:理性の中枢(樹木の葉)」の3層があり、脳はこれら3つが連動することで、うまく機能していることが説明されます。
「第2章 体調のコントロール」では、食事・運動・睡眠のとり方の説明があり、次のように書いてありました。
「脳神経外科医として、私はこれまでたくさんの患者さんと接してきました。その約30年の経験をふまえ、脳を守るために出した答えは、実にシンプルなものです。朝食で一日のリズムを整えること、日常生活に適切な運動を採り入れること、規則正しい睡眠時間を確保するべきこと、やるべきことは、これだけしかありません。」
 さらに「第3章 感情のコントロール」では、心構えや、人間関係・仕事での感情のコントロールの方法を教えてもらえます。
 そして「第4章 究極の「1つの習慣」」では、「1日1ページ、ノートを書く」方法を具体的に教えてもらえるのです。この「1日1ページ、ノートを書く」というには、脳を守るための健康法が続けられるよう、次のような項目が厳選されていました。
「築山式ノート」の厳選15項目
1日付(脳幹)/2体重(脳幹)
3血圧(脳幹) /4睡眠(脳幹)
5歩数(脳幹) /6BMI(脳幹)
7食事の記録(脳幹) /8天気・気温(脳幹・大脳辺縁系)
9ToDoリスト(大脳辺縁系) /10音読(大脳新皮質)
11運動(大脳新皮質) /12外出(大脳辺縁系・大脳新皮質)
13コミュニケーション(大脳新皮質) /14外の世界のメモ(大脳新皮質)
15自分のためのメモ(大脳新皮質)
   *
 食事の記録、運動の記録、睡眠の記録、さらにToDoリスト、コミュニケーションなどまで……これを記入するためには、脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質に関わる行動を続ける必要があるのです(項目内容の脇に書いてある「脳幹」などが、その項目を書くことで鍛えられる脳の部分を示しています)。
 ……なるほど。だから「たった1つの習慣」だけで、脳を守れるんですね。次のように書いてありました。
「この(注:書く)時に脳で行われる情報処理は、(1)情報の入力、(2)情報の処理、(3)情報の出力、この3段階です。
見聞きしたことや感じたことを言葉に変換するプロセスは、大脳辺縁系が受け取った喜怒哀楽など感情的な気持ちを、大脳新皮質で理性的に考え直す時間になります。その内容を紙に書くことにより、頭の中が整理されて脳の記憶の引き出しにキレイにしまうことができるのです。「書く」ことを習慣にしてしまうことが、「脳」を守るために必要な究極の1つの習慣なのです。」
   *
 この「たった1つの習慣」は、「60代を過ぎて老年期を迎えた脳は「鍛える」のではなく「守る」もの」という考え方で設定されているので、脳トレなどで問題を解いて「鍛える」必要がなく、あまり苦労せずに続けていけるのではないでしょうか。
 でも、このノートには、書く項目が15もあって面倒だな……と思うかもしれませんが、項目のない真っ白い日記帳だと、そもそも何を書こうかなと考えこんでしまいがち。むしろ書くべき項目が決まっている方が、書く習慣を続けやすいと思います。出来る部分だけでもいいので、書き続けていくと、「脳を守る」ことが出来るのではないでしょうか。
 ただ……個人的には、このノートを書く習慣を作るのは、もっとずっと先でいいかな、とも思ってしまいました(笑)。というのも、現在やっている、この「読書の感想を書く作業」が、「脳を鍛える(守る)」のも役立っているはずだと考えているからです(笑)。それに食事も運動も睡眠も、健康のために良い習慣をしようと心がけていますし……。
 でも、病気からの回復期で脳が衰えていることを感じている方や、老化で脳が衰え始めていることを心配している方は、ぜひ読んでみてください。「脳を守る」ことで、より長く、人生を楽しんでいけると思います☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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