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第1部 本

健康&エクササイズ

EAT 最高の脳と身体をつくる食事の技術(スティーブンソン)

『EAT 最高の脳と身体をつくる食事の技術』2022/3/30
ショーン・スティーブンソン (著), 花塚恵 (翻訳)


(感想)
 減量・快眠・ストレス・集中力・知性・人間関係・長寿などのトピックごとのベスト・メソッドを紹介。「食べる」ための情報を総合的に教えてくれる本です。
 スティーブンソンさんは中距離ランナーとして有望視されていた15歳の時に腰を骨折し、20歳で椎間板変性症との診断を受け、医師から治療法も治癒の見込みもなしと宣言されてしまいましたが、「治す」という決意を持って食事内容の見直しとエクササイズを開始。その結果、健康を取り戻すことができたそうです。序文には次のように書いてありました。
「自分の健康に対する責任を他人に委ねていたなんて、本当にどうかしている。もちろん、医師は貴重な頼りになる存在だが、私の生き方や身体のケアをどう行うかを決めるのは私自身のはずだ。そう思った瞬間、すべてが一変した。」
 ……まさに、そうですね! 次のようにも書いてありました。
「身体の遺伝子が発現するすべての瞬間は、個々人が置かれている環境、ライフスタイル、さらには食べ物によって制御されているのだ。」
 ……食べたものが影響を及ぼすのは、体重、集中力、コミュニケーション能力、稼ぐ力、睡眠の質、病気から身体を守る力、肌の質感や外見、寿命の行く末など……食べたものは、私たち自身をつくっているのです。
 そして食べ物の主要3大栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂肪。このうちタンパク質は筋肉組織を構成するもので、その比率を30%前後にすることが脂肪の減少に効果的だそうです。
 ちょっと意外だったのが脂肪について。体から脂肪を落とすことがダイエットだと思っていたので、脂肪はあまり食べない方が健康的なのかと勘違いしていましたが、むしろ摂取する脂肪を増やした方が、体脂肪が減り筋肉量が増え炎症が減るそうです(マジか……)。食物に含まれる飽和脂肪はどれも重要で、私たちの健康になくてはならないのだとか。
 そして「食べ物」という面では忘れられがちな「水」も重要だそうです。なんと水を飲むと、身体がカロリーを燃焼させるので脂肪が減少するのだとか! ただし水は飲み過ぎるのも害になるので、ミネラルが含まれているものを適量飲むように心がけるのが大切だそうです。特に朝起きたときに水を飲むようにすれば、老廃物が洗い流されるとのことでした……健康のために、これはすでに実行済みのことでしたが、そういう効果もあるなら、これからも毎朝、飲むように心がけようっと。
 そして食べると身体にいい食物に関しては……あまりにも情報が多すぎて、覚えきれませんでした(苦笑)……でもとにかく、一般的に身体にいいと言われている食品がたくさん紹介されていたので、今まで通りバランスのいい食生活を心がければいいのかなと感じました。
 身体の健康には、やはり腸内細菌の健康が欠かせないようで、腸内細菌の多様性を高めるためにも、多様な食物を摂取することが効果的なようです。特に「旬の食べ物」がいいそうです。
 ちなみに腸内細菌が喜ぶ食べ物としては、リンゴ、アスパラガス、ココア、緑茶、オリーブオイルなどが、腸内フローラに善玉菌を増やす食品としては、キムチ、ザワークラウト、ヨーグルト、納豆、味噌、ピクルスなどが紹介されていました。
 そして主要3大栄養素だけでなく、微量栄養素も重要な働きをしているようで、例えばミトコンドリアが有効に機能するために、ビタミンB群、硫黄、マグネシウムなどの微量栄養素が必要だそうです(なお、マグネシウム豊富な食べ物は、ホウレンソウ、アーモンド、アボカドなど。マグネシウムは脳の若さを保つのにも効果的なようです)。
「食物に含まれる微量栄養素や生体反応を誘発する化学物質の多くは代謝の反応に直接的に関与し、ホルモンバランス、免疫能力、解毒過程、燃料や成長のための主要栄養素の活用に至るすべてを決定づける」そうで、微量栄養素が豊富な食べ物としては、ブルーベリー、チェリー、チョコレート、アーモンド、卵、魚、コンブなどが紹介されていました
 そして脳細胞の健康をサポートする食品や飲料としては、ホウレンソウ、ニンニク、ブラックベリー、チョコレート、緑茶、スピルリナ、キノコ、ヤマブシタケ、コーヒー、ブロッコリーなどが紹介されていました。
 この他にも「30分の運動を週に5回行うと、アルツハイマーを発症するリスクが劇的に低下しうる」とか、「睡眠は脳細胞の記憶力を高めるだけでなく、免疫システムの記憶力の向上も期待できる」とか、健康にとって役立ちそうな情報をたくさん読むことができました(なお健康によい食品に関しては、本書内ではもっとたくさんの紹介と詳しい説明があります。)。
 やっぱり「食事」は、私たちの身体に大きな影響を与えるものなんですね……。次のように書いてありました。
「そもそも栄養状態がよければ、忍耐力や他者と調和を図る力、衝動を抑える力、他者の視点に立ってものごとを考える力が向上する。そうした能力は栄養不足になると劇的に弱くなり、深刻な状況や慢性的な問題への対処といった、知識にもとづいて行動する必要のある場面でその影響が現れてもおかしくない。」
 ……このところ身体の調子がいまひとつ良くない……と感じている方は、もしかしたら微量栄養素が不足しているのかもしれません。今まであまり食べたことのないもの(健康によいと一般的に言われているもの)を食べるとか、本書内で紹介されているサプリメントを試してみるとかすると効果があるかも……健康のために食事を改善したいと思っている方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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