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第1部 本

科学

かけらが語る地球と人類138億年の大図鑑(ミニ・ミュージアム)

『かけらが語る地球と人類138億年の大図鑑』2022/10/15
ミニ・ミュージアム (著), ジェミー・グローブ (著), マックス・グローブ (著), 縣 秀彦 (翻訳), & 1 その他


(感想)
 生命の起源に迫る隕石、大絶滅を引き起こした火山大噴火の痕跡からベルリンの壁の断片まで、133の資料を充実の解説とともに紹介。小さなかけらが、壮大な地球の歴史を語るミニ・ミュージアムの本です。
 最初に登場するのは、なんと「地球外アミノ酸」!
 えええ! と驚きましたが、隕石です。なんと46億年前の。
 また同じく隕石ですが、「小惑星帯の破片」も見ることができます。小惑星帯というのは、火星と木星の軌道の間にある、岩石でできた小天体の領域ですが、初期の研究では大規模な衝突で砕けた原始惑星の破片の集まりだと考えられていました。でも近年では、木星の重力が強いせいで、この場所では惑星が生まれないことが明らかになっているそうです。……そうなんだ……原子惑星の残骸が小惑星帯になっていて、砕けたものの大半は木星に吸い寄せられたから、木星は巨大なんだとばかり思っていました……。
 また「月の高地(隕石)」では、「月の匂い」というコラムが面白かったです。月には独特の匂いがあるそうで、アポロの飛行士たちも気づいたそうです。アポロ17号のシュミット飛行士はアレルギー反応を起こしてしまったほどで、アポロ17号のサーナン飛行士は、「誰かが船内でカービン銃を撃った直後のようだった」と語ったとか。かなり強い匂いのようです。
「最古の地球(地球の地殻の最も古い標本)」というかけらもありました。茶色い土色をした岩石と結晶(43億7400万年前)。荒い堆積層は約33億年前のもので、さらに古い44~36億年前のジルコンを含んでいるそうです。次のようなことも書いてありました(ごく一部の紹介です)。
「(前略)地球はその形成初期、水を豊富にたたえていたことがわかってきた。気温は非常に高かったが、二酸化炭素の大気圧のおかげで表面の水が蒸発することはなかった。
 地球表層でプレート(岩盤)の運動が、この時期に始まったことも判明している。こうした力が大気中から二酸化炭素や温室効果ガスを排除し、地表を冷やし、生命にとって都合のいい環境を整えるのにひと役買った。」
 ……こんな感じで、標本ごとに「かけらの写真とそのラベル」+解説文がセットになっていて、まさに自分だけのミニ・ミュージアム。博物館好きにはお宝になりそうな素敵なフルカラーの本なのです。
「火星の隕石」もありました。火星探査機キュリオシティが送ってきたデータを分析することで火星の大気のアルゴンの2つの同位体の正確な比が分かっているので、それを使うことで、一部の隕石は間違いなく火星からやってきたと判断できるそうです。
 その他にも最古の生命といわれるストロマトライトの化石とか、ウミユリの化石とか、世界最古の川(フィンク川)の砂とか、恐竜の化石とか、「k-Pg境界+デカン・トラップ」の火成岩や境界層のかけらとか、魅力的なかけらがいっぱい☆
「雷の化石(閃電岩)」なんてものもありました。「地面が乾いた砂の場合、(落雷の)強力な熱がシリカを溶かして融合させ、閃電岩と呼ばれる筒状の粗いガラスを生みだす。」そうです。
 先史時代の岩壁に描かれた絵によく使われている「紅土」という天然色素も見ることが出来ました。へー、こういうものがあったから、7万年も前の絵が残っているんですね……。
 日本からも「星の砂」、「サムライの刀」、「富士山の溶岩」のかけらが選ばれています(笑)。土産物としてよく売られている「星の砂」も、こうして見ると貴重なものに見えます(笑)。また「SONYのウォークマン」のボタンもありました(ここで選ばれているものは「かけら」なので、ウォークマンの標本はボタンだけです。もちろん本体の写真もありますが……)。
 新しい(?)ところでは、最初の太平洋横断ケーブルの破片とか、ゴールデンゲート・ブリッジの破片なんかもありました。これらは博物館や再建のための資金集めのために売却されたようですが、こういう資金集めの方法もいいですね!

 興味津々だったのは「ソ連のスパイのボタン」。なんと小型カメラが隠れていたそうです。
 そして美しくて驚いたのは、「フォーダイト(自動車瑪瑙)」。自動車工場で採取した「何千層も重なった車の塗料」だそうですが、これはアクセサリーに加工して売り出せそう(笑)。
 いろいろな「かけら」で地球と人類138億年の歴史を学ぶことが出来るミニ・ミュージアムの本でした。自分だけの博物館として、じっくり眺めることが出来ます。ただし標本は小さな「かけら」だらけなので……ちょっと迫力には欠けますが(笑)。
 それでも「ペレのサッカーボールのかけら」とか、「モハメド・アリのサンドバックのかけら」とか、「スティーブ・ジョブズのモックネック(トレードマークの黒い服)のかけら」とか、他の博物館ではなかなか見られない「かけら」を、その物語とともに見ることが出来て、とても面白かったです。博物館好きの方は、ぜひ一度、眺めてみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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