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第1部 本

科学

天変地異の地球学(藤岡換太郎)

『天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで (ブルーバックス)』2022/8/18
藤岡 換太郎 (著)


(感想)
 地球46億年の歴史のなかで起こった凄まじい天変地異。日本列島の体積の6倍ものマグマが海底から噴き出し、すべての大陸が一つに合体してはまた分裂し、地球全体が凍りついて一個の雪玉になった……生物は何度も大量絶滅を繰り返してきました。
 この天変地異にはサイクルがあります。そのサイクルは、より大きなサイクルに呑み込まれ、そのサイクルもまた、さらに巨大なサイクルの歯車の一部に……地球を動かしている究極の原動力とは、いったい何なのか? 天変地異を軸に46億年をとらえなおす、かつてないスケールの地球科学の本で、内容は次の通りです。
序 章 天変地異とは何か
第1章 人類が経験した天変地異
第2章 空、海、陸と天変地異
第3章 生物を襲った天変地異
第4章 究極の天変地異
終 章 銀河と天変地異
   *
「序 章 天変地異とは何か」には、天変地異の定義が次のように書いてありました。
「端的にいうと、天災とは人間の文明や生物の棲息を脅かす自然の猛威というべきものであり、その原因をなす天文・気象現象(天変)や地学現象(地異)などの地球科学的な現象が天変地異であると定義づけられます。」
 そして天災の種類には、次のようなものがあるそうです。
1)気象災害:台風、大雨・洪水、雷、竜巻、豪雪、干ばつ
2)固体地球災害:地震、火山、土砂災害
3)生物災害:パンデミック
4)宇宙災害:隕石・彗星
 ……日本は災害国なので、よく聞く単語が多いですね……。そして、この天変地異のサイクルには、粘性の違いが関係していると考えられているそうです。
「この周期の長さは気体(大気)、固体(地殻やマントル)、流体(河川や海洋)で大きく異なります。大気の循環は1週間のオーダーであり、海洋の循環は1000年のオーダー(2000年)で、固体の循環は億年のオーダーです(3億~5億年)。こうした違いの原因は、固体、流体、気体の粘性の違いにあると考えられます。」
 ……なるほど。
 こうした天変地異を記録しているものとしては、「サンゴの日輪」、「年輪と珪化木」、「湖底の年縞」、「海の縞状堆積物」などがあるそうです。それらを調べることで、これまで地球では何度も凄い天変地異が発生してきたことが分かっています。
 地球と太陽の関係(歳差運動、地軸、太陽周囲の公転軌道)で起こっていると考えられている氷河期と間氷期のサイクル、プレート運動による大陸移動による気候の大変動(南極還流の成立など)、巨大隕石衝突などなど……天変地異の内因としては、プレートの運動(地震や火山活動の原因)などが、外因としては、太陽の光や熱(気象現象の原因)、宇宙からの働きかけがあるそうです。
「あらためていえば地球システムとは、地球の外側から磁気圏、気圏、水圏、固体地球圏(地殻、マントル、核)といった、まとまりをもつスフィア(圏)が寄り集まって成り立っているものです。これは地球ができたばかりのどろどろの頃に、物質の密度の違いによって分布のしかたが異なり、成層構造をつくったためです。
 重要なのは、これらのスフィアは独立しているわけではなく、それぞれの間でエネルギーと物質の行き来があることです。」
 ……地球はいろんな意味で「生きて(常に動いて)」いるんですね。
 そして天変地異の根本的原因については……
「生物の絶滅が起こったのは、海洋無酸素事変などが起きたからだ、海洋で事変が起きたのは、超大陸ができたり分裂したりするからだ、超大陸ができたり分裂したりするのは、プレートが移動しているからだ、プレートが移動しているのは、中央海嶺からマグマが出ているからだ、中央海嶺からマグマが出ているのは、マントルが対流しているからだ、マントルが対流しているのは、温度の違いによってプルームが発生しているからだ、というわけです。」
 ……なるほど。そしてこの「プルーム」の原因となっている「マントルの温度の違い」ができるのは、地球内部に熱エネルギーがあるからで、その熱源の1つは、地球ができたときの熱エネルギー、もう一つは、地球の内部に存在する放射性元素の崩壊熱だそうです。
「終 章 銀河と天変地異」には、未来の天変地異について、太陽との関係で決まっているミランコビッチ・サイクルによれば、もう2000年もすれば地球は寒冷化に向かう。さらに2万年、そして6万年経てば寒冷化の最盛期になるということが書いてありました。さらに……
「さらに時間が経てば、新しい超大陸「アメイジア」ができると予想する人たちがいます。ハワイ諸島はいま、毎年9.5cmの速度で日本列島に近づいています。いまから約2億5000万年後には、日本列島を中心に超大陸ができるとされているのです。そのことはプレート運動が続くかぎり、変わりません。」
 ……大陸の端っこの島国・日本が新しい超大陸の真ん中に? なんか想像もつきません(笑)。さらにさらに……
「(前略)さらに50億年後には地球は太陽に?み込まれて、その一生を終えます。」
 ……そのころまでには、意外にちゃっかりしぶとい地球人は、他の銀河にまで拡散しているかもしれませんね!
「天変地異」にサイクルがあることを科学的にじっくり教えてくれる本で、とても勉強になりました。天変地異は「予想もつかない偶然の大惨事」だと思っていましたが……巨視的にみると、科学的根拠に基づくサイクルがある(ただし少なくとも現状では人間に対処できるものとは思えませんが……)ということに、すごく納得してしまいました。
 面白くて勉強になる地球科学の本です。これまで起きた天変地異や大陸大移動、生命大絶滅など興味深い記事が満載。ぜひ読んでみてください。お勧めです☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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