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第1部 本

地質・地理・気象・地球環境

世界一楽しい 遊べる鉱物図鑑(さとう かよこ)

『世界一楽しい 遊べる鉱物図鑑』2016/10/24
さとう かよこ (著), 三村 晴子 (イラスト)


(感想)
 鉱物の特徴の解説や、色や形が面白いものを厳選した図鑑ページ、さらに「割る・浸す・磨く・加熱する・光を当てる・作る」のビックリ実験、そして鉱物アクセサリーから鉱石ラジオ工作など……わくわくドキドキ好奇心を刺激する体験型鉱物図鑑です。
「Chapter1 鉱物を知ろう」によると、鉱物とは次の3つの要件を満たすものだそうです。
1)地球がつくったものであること(生物が作った石炭や化石、宇宙からやってきた隕石は鉱物ではない)
2)決まった成分であること(元素からできていて、どの部分をとってもふくまれる主な元素は同じ)
3)固体であり、結晶であること(原子が規則正しく配列している固体(結晶)。ただし例外的に結晶でないものもある(非晶質のオパールや黒曜石、液体の水銀、南極石も鉱物とされる))
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 へー、そうなんだ。ちなみに南極石の融点は25℃だそうです。そんな石があるんだ……南極にあるから「石」のままでいられるんですね(笑)。
 そして「岩石」というのは、いくつかの鉱物が集まっている石のことなのだとか……鉱物と同じようなものかと思っていましたが、違うものなんですね。
「Chapter2 美しい鉱物の世界」では、おこづかいでも手にいれやすい鉱物125点を厳選して、フルカラー写真とともに解説してくれます。これは、とても嬉しいですね! 高価な宝石も見たいけど、こういう図鑑の方が、ミネラルショーや鉱物標本店で鉱物を選ぶときの参考になりそう。ミネラルショーには行ったことがありますが……あまりにも多数が売られていて何が何やら分からなくて、結局は何も買わないまま退散してしまったというヘタレでしたから……(苦笑)。
 ここでは、水晶と玉髄(瑪瑙)が石英でできていることを知りました。
 まず水晶については……「水晶も石英も鉱物学的には同じものですが、肉眼で結晶の形が分かるものを水晶とよびます。」。
 そして玉髄(瑪瑙)は……「石英のとても細かい結晶が集合してかたまりになったもの。中でもしま模様が美しいものを瑪瑙といいます。」
 ……そうだったんだ。水晶にはいろいろな色があること、とりわけ黒水晶には驚かされました。次のように書いてありました。
「黒水晶/煙水晶:アルミニウムイオンが入り込み放射線を浴びると特別な波長だけを吸収し色づく。煙水晶はほぼすべての波長を吸収するので黒っぽく見える。煙水晶の中でも特に色がこいものを黒水晶といい、人工的に放射線を当てて作ることもできる」
 また紫水晶を加熱して黄色にすることもあるそうです。
「天然の黄水晶は大変希少で、オレンジ色や黄色の美しいもののほとんどが紫水晶を加熱したものです。」
 ……石の加工は「削る」「磨く」だけじゃないんですね……。
 そして「Chapter3 鉱物で実験しよう」では、「割る・浸す・磨く・加熱する・光を当てる・作る」などの実験方法が具体的に書いてありましたが……学校の理科室でやるならともかく、家でやるには危険そうに感じるもの、石を壊してしまうものもありました。でも石にブラックライト(紫外線)を当てるものだけは、簡単だし、楽しそう。ちなみにブラックライト(紫外線)を当てると蛍光を発する鉱物としては、蛍石、ツグツプ石、透石膏、玉滴石、岩塩などがあるようです(本書内ではもっと詳しい説明があります)。
 そして最後の「Chapter4 鉱物で遊ぼう」では、サヌカイト石琴とか、ガラスドーム標本とか、きらめき万華鏡とか、鉱石ラジオ、鉱物ペーパークラフトなど、鉱物を使った工作などが紹介されていました。
 サヌカイトは四国の讃岐地方などで産出される石で、たたくと澄んだ音が出るものです。讃岐では風鈴として販売されていますが……他の地方では手に入れにくいかも。
 ガラスドーム標本は、自分のお気に入りの石などを博物館で展示されている標本ケース(ミニチュア版)に入れる方法を教えてくれるもので、とても素敵です☆
『世界一楽しい 遊べる鉱物図鑑』でした。夏休みの自由研究のネタにも使えそう。鉱物が好きな方はぜひ読んで(眺めて)みてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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