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第1部 本

脳&心理&人工知能

マンガでわかる 脳と心の科学(篠原菊紀)

『マンガでわかる 脳と心の科学』2019/2/22
篠原 菊紀 (監修), 姫野 よしかず MICHE Company


(感想)
 ヒトの「脳と心」のメカニズムと働き、最新脳科学でわかってきた話題をマンガで分かりやすく解説してくれる本です。各章の最初に短いマンガがあり、その後、文章とイラストで解説があります(文章解説が多めです)。
 まず「第1章 脳とカラダ」では、脳が五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を司っていることなど「脳と身体」の関係を解説。
 続いて「第2章 脳とココロ」では、愛情がうまれるメカニズム、なぜ騙されるのか、なぜギャンブルにはまるのか、やる気はどうしたら高まるのかなどの興味深い話題を紹介してくれます。例えば、「やる気はどうしたら高まるのか」については、次のように書いてありました。
「ある行動をしたらほめるということを繰り返すと、線条体(大脳基底核を構成する神経核の一つ)は予測的な活動を始めます。その行動の予兆を感じただけで、線条体が発火するのです。
 こうした線条体の発火がやる気の正体、誰かのやる気を高めたいなら、望ましい行動を具体的にほめることが大事です。自分のやる気を高めたいなら、自分のとった望ましい行動に「楽しい」「いいじゃん」「よくやった」など自己報酬を与えるようにするといいでしょう。」
 また「脳は当たりはずれがあるからハマる」そうで、次の記述には納得してしまいました。
「報酬を与えられるサインの信頼度が50~75%程度で、ドーパミン神経の発火量は最大になります。当たったり、当たらなかったり、そういうギャンブル条件が快感ややる気を大きくし、その行動を強化します。いつもやさしくされているよりも、ときどきつれなくされると恋が燃え上がるのも、このメカニズムのなせる業です。」
 ……なるほど。いつも優しくされていると、それが当たり前になって嬉しくなくなっていくってことですかね……なんか分かるなあ(苦笑)。
 そして「第3章 脳とキオク」では、「記憶は海馬から大脳皮質へ転送される」など、記憶と脳の関係を、脳科学的に解説してくれます。
 ちょっと嬉しかったのは、知能のピークは20代ではなく、50代かもしれないことを知ったこと! ワーキングメモリや短期記憶のように新しいことを覚える力は、20代をピークに徐々に低下するようですが、流動性知能に分類される計算力のピークは50代、理解力や語彙力などの結晶性知能も50代がピークだったという研究結果があるそうです。50代前後は新しいことを学ぶのに適している年代なのかもしれません。ということで……
「できないという思い込みが能力を低下させてしまうのです。「いくつになっても、やればできる」とポジティブに思っているほうが、脳にとってはいいのです。」
 いくつになっても新しいことにチャレンジし続けたいと思います!
 さらに「第4章 脳とビョウキ」では、うつ病やストレス障害などがどんな脳の状態で発生するかについてや、認知症の予防に有効な生活習慣は、喫煙をしない、適正体重・正常血圧を維持する、適度な運動・健康的な食生活(地中海食、和食)をとることなどを教えてもらえました。そして「第5章 脳のメカニズム」によると、「読み聞かせ」が、子どもの脳のネットワーク強化に最も効果的だったそうです。
 個人的に最も興味津々だったのは、「第6章 脳のミライ」。
 ヒトの脳と外部機械をつなぐブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は、すごくミライ的で、将来に期待が持てそうに感じましたし、「恐怖記憶を消去するDecNef(デコーディッド・ニューロフィードバック)法」も、恐怖ストレスに悩んでいる人への朗報だと感じました。
 最も驚いたのは、「脳への電気刺激で活性化するtDCS(経頭蓋直流電気刺激)法」。次のようなことが書いてありました。
「脳内には、神経細胞のほかに、ニューロンをサポートするグリア細胞という細胞が存在します。今まで、シナプスでの情報伝達の増強はグリア細胞の1種であるアストロサイトのカルシウム活動によって引き起こされていることが知られていました。
 近年の研究で、tDCSで大脳皮質を刺激することによって、カルシウム濃度が著しく上昇し、シナプス伝達の増強がされやすくなり、脳が活性化したことが発見されたのです。」
 ……えええ? 脳を電気刺激すると頭がよくなるの? それってなんかズルい方法のような気もしますが……うつ病や認知症などの脳の病気を改善できるなら、すごく良いことだとも思うので、今後の研究に期待したいと思います。
『脳と心の科学』をマンガで教えてもらえる本でした(ここで紹介したのは、そのうちのごく一部です。他にも興味深い記事が満載です)。ヒトの脳のスゴさと不思議さが分かるだけでなく、生活やコミュニケーションにも役に立つと思います。ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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