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第1部 本

工作(紙以外)

はじめての苔テラリウム(園田純寛)

『はじめての苔テラリウム―失敗しない植え方・育て方・メンテナンスがわかる』2019/3/1
園田 純寛 (著)


(感想)
 初心者向けに、失敗しない植え方・育て方・メンテナンス方法を、写真やイラストで詳しく教えてくれる苔テラリウムの入門書です。
 苔テラリウムというのは、表紙写真のように、ガラス瓶などの中で苔を育てるもので、この本では、次のように書いてありました。
「密閉された容器や口の開いた容器の中で、植物が必要な条件が整うテラリウムは、いわば小さな温室。なかでも苔のテラリウムは、ほとんど手間がかからず、一年中、美しい緑を楽しむことができます。苔には、人の心を癒す不思議な力があります。じっと見ているだけで穏やかな気持ちになれますし、テラリウムならフィギュアや石などを使い、オリジナリティあふれる世界を生み出すことができます。」
 ……石やジオラマ用の小さいフィギュアを使って「小さな自然の世界」をガラス瓶の中で作り上げられる……工作好きの魂をぐっと揺さぶられてしまいました。本書の内容は、次の通りです。
Part1 基本の植え方
Part2 初心者でも作りやすいクローズドタイプ
Part3 苔の世界を広げるオープンタイプ
Part4 応用作品にチャレンジ
Part5 もっと知りたい苔のこと
   *
「Part1 基本の植え方」では、基本の道具や作り方、適した土の配合の他、苔テラリウムで育てやすい苔(ヒノキゴケやタマゴケなど)ごとに、育て方や植え付けのコツ、トラブルの対処法などを、初心者にも分かりやすく丁寧に教えてくれます。
 意外だったのが、「苔の下ごしらえ」。菌を容器に持ち込まないようにするため、苔からゴミや枯れ葉を取り除き、土のついた部分があったら、ハサミでカットして取り除くそうです。さらに流水で丁寧に洗うのだとか! 植物を移植する時には、もともとの土を残すようにした方が定着しやすいと思っていましたが……苔テラリウムの場合は、「閉じられた空間をなるべく清潔に保つ」のが重要だそうです。苔テラリウムは「管理された自然」なんですね……。
 そして「Part2 初心者でも作りやすいクローズドタイプ」。蓋つきのガラス容器で作るのが、クローズドタイプです。こっちの方が難しいのかと思いきや、「水やりは2~3週間に1度でいい」など、手入れがしやすいので、むしろ初心者向きだそうです。ただし、オープンタイプとは違って、苔が本来よりも間延びした形に育ってしまうなどの問題があるので、育てられる苔の種類が限定されるようです。
 それでも「虫が入らない」「埃が入らない」などのメリットがあるので、やっぱり最初に作るとしたらクローズドタイプかな、と思ってしまいました。寄せ植えや、フィギュアで森の風景を作る方法も書いてあります。(ちなみにフィギュアを使った風景作りは、ステンレス製の釘の頭部分にグルーガンで接着剤をつけて、そこにフィギュアを接着したものを、苔テラリウムの土に刺すといいそうです。例えば表紙写真では、右端の小さい鉢に、小さい牛のフィギュアがつけてあります)。
 さらに「Part3 苔の世界を広げるオープンタイプ」、「Part4 応用作品にチャレンジ(他の植物と組み合わせる、苔テラリウムのトラブル解決法など)」と続き、最後の「Part5 もっと知りたい苔のこと」では、苔図鑑を含む苔情報を豊富な写真で解説してくれます。
 初心者が知りたいことを、総合的に詳しく丁寧に写真(フルカラー)で教えてくれる、素晴らしい苔テラリウムの入門書でした。掲載されている作品も素敵なものばかりだし、作り方もあまり難しくなさそうなので、いつか作ってみたいなーと思わされました。
 ガーデニングや観葉植物が好きな方だけでなく、人形の家などのミニチュア世界が好きな方も、ぜひ読んでみてください。きっとすぐに作ってみたくなるでしょう。
 美しい苔の写真が豊富で、眺めているだけでも癒されます。お勧めです☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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