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第1部 本

教育(学習)読書

理系読書(犬塚壮志)

『理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル』2020/9/30
犬塚 壮志 (著)


(感想)
 読書効率を最大化する「超合理化サイクル」を教えてくれる本です。
『理系読書』というタイトルだったので、物理学や工学などの読みにくい理系の本の読み方を教えてくれる本なのかと期待してしまったのですが、理系の本というよりは、ビジネス書やノウハウ本を、実践的に役立てるための効率的な読み方を教えてくれる本でした。
「はじめに」には、次のような記述がありました
「本書が提供するのは、文系が知らない「理系の読み方」です。理系の人間は、問題を発見し、仮説を立てて検証実験するという一連の学習サイクルを習得しています。
 このサイクルを読書に当てはめた「超合理化サイクル」で読書効率を最大化して、効果的に本を読んでいくことが、本書の趣旨です。
 具体的には、「問題発見力」と「仮説思考力」により、読むべき箇所の絞り込みを行い、読書の時短を徹底し、読む時間をおよそ15分に絞ります。さらに、現実世界での「検証実験」に時間を割くことで、自分に変化を起こし、読書で得られるリターンを最大化します。
 理系脳読書術、略して『理系読書』は、超合理的な知的生産システムです。この読書スキルを自分のモノにすることで、本を速く、大量に読めるようになり、自分をスピーディーに成長させられるのです。」
 この本は「自らの教養を全体的に底上げする」とか、「楽しむ」「癒される」ために本を読む読書術を教えてくれる本ではありません。「自らの仕事力(能力)をピンポイントで高める」ための読書術を教えてくれる本なのです。
 だから効率よく読むためには、全部を読む必要などないそうです。「なんのために読むのか」という問題意識や目的を明確にして、それに関係ない本や部分を、ばっさり切り捨ててしまおうと提唱しています。
 とても参考になったのは、「第3章 知識とスキルがたちまち3倍アップする読書の検証実験」。ここでは、自ら「やってみる」ことを強く推奨しています。
「繰り返し読んで覚えるのではなく、1回だけ読んで必要な箇所を抽出し、繰り返し「やってみる」」ことが大事だということで、「読む:やってみる」を、「1:5」の割合にして、実体験を通して学習すると、知識やスキルが身につきやすいというのです。……確かに、ビジネス書やノウハウ本に書いてあるスキルは、読むだけより、実際に自分でやってみた方が、間違いなく身につくでしょう。
「読むべき箇所の絞り込み、15分程度で集中的に読み、実際に「やってみて」自分に変化を起こし、それを評価する」。この「超合理化サイクル」を活用することで、読書で得られるリターンを最大化するという方法を教えてくれる本でした。
 私自身は、「目的意識をもって必要な箇所だけに絞り込んで」効率良く読んでいたのは、設計書や仕様書、白書や各種統計、プレゼン用の資料を書くための資料本など、仕事用に使う本だけでしたが、ビジネス書やノウハウ本も、同じように「自分がスキルアップしたい箇所」だけを重点的に読む方が効率的なのかもと思わされました。
 その一方で、文芸書とか、歴史・経済などの社会系、地学・生物学などの理系の本は、楽しむためや自らの教養を底上げするために読んでいるので、この読書法は向かないかも、と感じてしまいました。
 読書に時間がとれない方が、「読書効率を最大化」するための方法を教えてくれる本でした。忙しいビジネスマンの方や、自らのスキルアップを効率的に行いたい方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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