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第1部 本

防犯防災&アウトドア

アウトドア

図解 身近にあふれる「危険な生物」が3時間でわかる本(西海太介)

『図解 身近にあふれる「危険な生物」が3時間でわかる本』2019/7/16
西海 太介 (著)


(感想)
 山や海、森はもちろん、普段生活している住宅の周りにも危険な生物はたくさんいます。毒を持つ生物、噛みついてくる生物、触るだけで危ない生物……そんな危険な動植物(全50種)について教えてくれる本です。
 トップバッターとして登場するのは、「アシナガバチ」。……って、アシナガバチ? 里山に近い住宅地に住んでいたときに、毎日のように見ていた蜂で、さほど危険だとは感じなかったのですが……実は危ない奴だったのか……と、ぎょっとしてしまいましたが、幸いなことに、それほど危険ではない生物のようでした。
「アシナガバチはスズメバチよりも比較的おとなしい性格のため、近づいただけで攻撃してくることは少なく、「巣や、巣がついた枝などを刺激してしまって刺された」というケースがほとんどです。(中略)被害はほとんど出ないので放っておいても問題ありません。無理して駆除を行うほうが危ないです。」
 なーんだ。そうだったんだ、良かった……。近くを飛んでいても刺してきそうな気配がまったくなかったので、安心して庭で「共存」していましたが、それでよかったようです(笑)。なにしろ、その住宅にはスズメバチすら来ることが多かったので、アシナガバチごときを恐れていられなかったんですよね(苦笑)……もしかして、むしろアシナガバチがいたから、他のハチがあまり来なかったのかも?
 アシナガバチはともかく、スズメバチやミツバチは結構危険なようです。これらの生物の毒について解説があるだけでなく、刺された時の対処法も書いてありましたので、参考までに紹介させていただきます。
・ハチ類刺傷の応急処置の手順
1)刺傷事故が発生! 巣が近い場合はすぐに移動して逃げる
2)流水で傷口を絞り洗い(体内から毒を出すように、つかみながら移動し水洗い)
3)抗ヒスタミン軟膏の塗布
4)冷却後、様子を見て必要に応じて病院へ
   *
 そして蜂に続いては、蛇の登場。ハブやマムシなどの毒ヘビとは、どんな場所でも絶対に出会いたくないものです。
 ここで驚かされたのが、おとなしくても毒は強烈だという「ヤマカガシ」。なんと東日本と西日本では、色が違うそうです! 
「(ヤマカガシの)色彩は、東日本では黒赤黄色を基調とした色合いですが、西日本では緑褐色になり、見た目はアオダイショウに近くなります。」
 ……そうだったんだ……怖っ……。
 なお、ヘビに咬まれたときの応急処置は、次の通りだそうです。
1)咬症事故が発生! 再度咬まれないようすぐに移動
2)ヘビの種類を判断。毒ヘビ? 無毒ヘビ?
3)流水で傷口を絞り洗い。腕時計や指輪を外す(腫れたときに取れなくなり、さらに重症化してしまう可能性あり)
4)走ってでも病院へ
   *
 ヘビの種類には詳しくないので、ヘビに咬まれたときは、とにかくすぐに病院へ行こうと思いました(毒がまわらないよう安静にするより、走ってでも病院へ行ったほうが、治りが早いそうです)。
 この他にも、毛虫やクモ、熊、クラゲ、植物など、身近な危険生物に関する解説(と簡単な対処法)が満載。アウトドアが好きな方は、知っておくに越したことはない、大事な情報だと思います。
 ただ……残念なことに、「図解」は、モノクロのイラストがほとんどなんですよね……。フルカラーの写真で解説してある方が、よりいっそう分かりやすくて現実的だったのでは? とちょっと思っていましました(汗)。「ヤマゴボウ」とか「ウルシ」とかの植物は特に、カラー写真で見たかったと思います。
 それでも、アウトドアでの服装や、応急処置の方法など、いろんなことを学べて、とても参考になりました(ちなみにアウトドアでは、できるだけ肌を露出しない服装・靴にする(ヒルなどに咬まれないように)、登山道から外れない(危険生物との遭遇を避ける)のが大事なようです)。
 アウトドアや庭仕事が好きな方は、自分の身を守るための基礎知識を学ぶために、ぜひ読んでみてください。
   *   *   *
 別の作家の本ですが、『危険・有毒生物 (学研の図鑑ライブポケット)』、『DVD付 危険生物 (小学館の図鑑 NEO)』など、危険な生物のことを学べる本は多数あります。
 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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