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防災

日本の地震地図 決定新版(岡田義光)

『日本の地震地図 決定新版』2019/3/29
岡田 義光 (著)


(感想)
 日本各地の地震の過去・現在・未来を地図中心にビジュアルにまとめた本で、地震災害に備えるための『日本の地震地図』の最新第5版です。
 地震の予知はとても難しそうですが、実は発生地域はほぼ決まっているのだとか。
「地震はどこでも勝手に起きているように見えますが、じつはその地域はほぼ決まっています。つまり、大きな地震も小さな地震も、いつもほぼ同じところで起きているということです。したがって、日頃発生している小さな地震の発生場所を見れば、まれにしか起きない大地震の発生場所も浮かび上がってくるということになります。そのためには過去の地震の発生場所の検証がたいへん重要になります。」
 ……なるほど。この本では、日本で発生した地震を地図で確認できるだけでなく、各地域の地震の予測情報も知ることが出来ます。
 冒頭はフルカラーのイラストで、「地震発生危険度(日本地図)」、「地震動予測地図(日本地図)」、「東京の地震総合危険度(東京地図)」、「南海トラフ地震の予想震度分布(日本地図西側)」があり、これだけでも凄く参考になりました。
 この後は、全国の地震発生地域と特徴などの総論があり、さらに北海道から九州・沖縄まで地方ごとの詳しい地震情報が掲載されています。
 各地方とも、最初にその地方で発生した過去の地震の発生地図があり、次にその地域の地震の概論、過去に発生した主な地震、そして地震予測&対策、大都市の地震マップが掲載されています。
 日本各地の地震情報を総合的に詳しく知ることが出来る、本当に素晴らしい『日本の地震地図 決定新版』です。今後も定期的な改訂版を期待したいと思います。
 特に、次の情報はとても役に立つと思いますので、以下に紹介させていただきます。
「地震調査研究推進本部では、地震発生の長期予測と同時に、それによって生じる各地の揺れの強さを示す「地震動予測地図」の作成作業を進めてきました。」
 以下の二つの地図を、「地震ハザードステーション」のホームページで公開、更新中。
1)個別の活断層や海溝型大地震のデータをもとにした地震動予測地図
2)総合的な地震動予測地図
「「地震ハザードステーション」のホームページでは、地図上の1点をクリックすることにより、その地点の緯度・経度、地盤の増幅率とともに、その地点で今後30年以内に予想される地表の震度、地面が揺れる速度などの値を見ることができます。また、住所を入力するとその場所の情報を一覧できる「地震ハザードカルテ」を出力するサービスも提供されています。」
 ……関東から九州にかけて広範囲に被害が予想される、南海トラフ地域でのM8級の大地震が今後30年以内に発生する確率は、2019年1月1日時点で70~80%、50年以内では90%程度もしくはそれ以上と見積もられているそうです。また、東北、九州地方では、大地震が頻発する傾向にあるのだとか。北海道を含め、大地震は日本全国どこでも発生する可能性があるようです。
 さて、この本のタイトルは『日本の地震地図』ですが、最後には「世界の大地震」に関する概要記事も掲載されていました。(地震分布の世界地図もあり)
「1900~2018年までの119年に世界で発生した地震のうち、死者が1,000人以上となった地震を数えると129件あり、この中には日本の地震10件も含まれています。つまり、最近の119年間を平均すると、毎年1回は世界のどこかで、また10年に1回は日本のどこかで、死者が1,000人以上の地震が発生していることになります。」
 日本は、「10年に1回は、死者が1,000人以上の地震」が発生する危険な国なんだなあ、ということを再確認させられる本でした。企業の防災担当の方はもちろん、日本に住んでいる人みんなに、ぜひ一度目を通して欲しいと思います。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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