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第1部 本

地質・地理・気象・地球環境

虹の図鑑(武田康男)

『虹の図鑑 ─しくみ、種類、観察方法─』2018/8/17
武田康男 (著)


(感想)
 220点もの美しい虹の写真を堪能できるだけでなく、「虹」とは何か、どんなときに見られるか、虹の仕組み、種類、探し方、さらには撮影方法まで分かりやすく解説してくれる総合的な『虹の図鑑』です。
 空を眺めた時に美しい虹がでていると、すごく嬉しくなって得した気分になりますが、やっぱり「めったに見られない」からなんでしょうね。その時の時刻とかを気にしたことはなかったのですが、「大きな虹を見やすい」のは、実は「朝・晩」のようです。この本には、「太陽が40度より高いと、空に虹は出ません。」、「太陽の高さによって、虹の大きさが変わって見えます。日の出直後や日の入り直線のとき、虹はその反対側で大きな半円になります。太陽が高くなるにつれて、虹の半円は地平線に沈んでいき、太陽の高さが20度以上になると、虹は小さく見えるようになります。」という記述がありました。……なるほど。
 また、すごく大きな虹のアーチが地面近くまでくっきり見えた時には、「虹のたもとに行ったら何が見えるんだろう? そう言えば、虹のたもとには財宝があるとか言ったような……」なんてことを考えてしまいましたが、この本によると、「虹に近づくと、そこは雨が降っている場所で、目の前に虹があります。さらに虹に近づくと、雨の中に入ってしまい、太陽の光が当たらないために虹が消えてしまいます。虹の中に入ると虹に囲まれるという幻想は、やはり想像の世界です。虹のたもとにはたどり着けないのです。」だそうです。……うん、やっぱりそうだよね……。

 こんな感じで、この本には、「虹」に関する総合的な知識がまとまっているだけでなく、世界中の虹の22種、虹色の自然現象16種を、すごく美しい写真やイラスト(計220点)で解説してくれます。この美しい写真を眺めるだけでも、心が癒されますし、写真に写っている虹の現象についての短い解説もついているので、勉強にもなります。
 例えば、めったに見ることができない「白虹」は、霧の出ている時に多く見られるようですが、「霧の水滴は雨粒に比べ半径が数十分の1程度で、その中で反射・屈折する太陽光線は、色が重なってしまいます。」という理由で「白い虹」になっているようです。ふーん。
 虹のしくみや種類、観察方法をカラーで1冊にまとめた初めての『虹の図鑑』です。気象に興味のある方は、ぜひ読んで(眺めて)みてください☆
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 武田さんは、他にも『【DVD付】異常気象 天気のしくみ (学研の図鑑LIVEeco) 3歳~小学生向け 図鑑』、『地球の超絶現象最驚図鑑』などの本を出しています。
 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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