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第1部 本

地質・地理・気象・地球環境

全国ジオパーク完全ガイド

『全国ジオパーク完全ガイド』2012/6/16


(感想)
 全国のジオパークを地図と写真で紹介してくれる大型の本(ムック)です。日本全国の20ヶ所のジオパークの魅力を紹介してくれるだけでなく、おすすめモデルコースや、特産品やお土産などの情報まで掲載されています。
 ジオパークというのは、世界ジオパークネットワークが認定する、地学的に見て重要な地形、地質を含む公園のこと。日本では、現在5ヶ所(洞爺湖有珠山・糸魚川・山陰海岸・室戸・島原半島)が「世界ジオパーク」に認定されています。そして日本ジオパークネットワークが認定する「日本ジオパーク」としては、白滝・アポイ岳・男鹿半島、大潟・磐梯山・茨城県北・下仁田・秩父・伊豆大島・南アルプス(中央構造線エリア)・白山手取川・恐竜渓谷ふくい勝山・隠岐・天草御所浦・阿蘇・霧島の15ヶ所があります。
 これらの雄大な自然の写真がたくさん掲載されていて、眺めているだけでもわくわくしてきます。ジオパークというのは、たいてい、ものすごーく広大で、「特徴的な地形」もその中に散らばっていて、短時間ではなかなかアクセスできない場所、見つけにくい場所にあることが多いので、こうやって写真でじっくり眺めることが出来るのは、とても嬉しいことだと思います。
「世界ジオパーク」になっている5か所については、ジオパークMAPがあるだけでなく、その内部をめぐるモデルコースも多数設定されています。例えば「洞爺湖有珠山ジオパーク」に関して言えば、「噴火口噴火遺構をめぐる(3時間または5時間コース)」など、全部でなんと8つものモデルコースが! どれも4時間以上かかるものなので、全部回るには少なくとも1週間はかかりそう(笑)。さらにその周辺で体験できる「アウトドア大地の体験学習(スノーシュー、トレッキング、カヌーなど)」や、名産の食べ物・お土産情報まで掲載されていて、ジオパーク観光を楽しむためのガイドブックとしても活用できます。
 さらに冒頭には日本列島の成り立ちに関する簡単な解説があり、巻末には、年表形式でジオの歴史も掲載されています。地学好きにはたまらないお宝本(1600円+税)です☆
 残念なことに(?)、ジオパークというのは地球活動によってできた「特徴的な地形」なので、雄大な山岳や壮大な海岸線などの素晴らしい景色に到達するためには、市街地からかなり移動しなければならず、これら全国のジオパークを巡るのは、すっと先になりそうですが、機会があったらぜひ行ってみたい風景を、たくさん見つけることが出来ました。
 なかでも絶対に見てみたくなったのは、「室戸ジオパーク」。ダービダイト層(砂岩と泥岩の互層)、生痕化石、枕状溶岩、カレントリップル(海底の漣痕)、砂岩岩脈など、目もくらみそうなほどの凄い岩の風景写真が満載! うわー!
 ……日本って、本当に素敵な国ですね☆
「世界ジオパーク」以外の「日本ジオパーク」に関しても、素晴らしい風景写真や観光情報とともに、3つ以上のモデルコースの紹介があります。
 楽しくて、ちょっぴり勉強にもなるジオパーク観光。自宅に近い場所のジオパークを見つけて、ぜひ訪れてみてください。
(残念ながらこの本は絶版のようで、中古価格が高騰しているようです。素晴らしい本なので、改訂版の発売を期待したいと思います。)
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 別の作家の本ですが、『ジオパークを楽しむ本?日本列島ジオサイト地質百選?』、『北海道・東北のジオパーク (シリーズ大地の公園)』、『関東のジオパーク(シリーズ 大地の公園) (シリーズ大地の公園)』、『中部・近畿・中国・四国のジオパーク (シリーズ大地の公園)』、『九州・沖縄のジオパーク(シリーズ大地の公園)』など、ジオパークに関する本は多数あります。
 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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