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第1部 本

健康&エクササイズ

100歳まで自分の歯を残す4つの方法(木野孔司、他)

『100歳まで自分の歯を残す4つの方法 (健康ライブラリー)』2013/3/28
木野 孔司 (著), 齋藤 博 (著), ヨシタケ シンスケ (イラスト)


(感想)
 ベテラン歯科医師の木野さんと齋藤さんが、100歳まで自分の歯を持たせる「4つのシンプルな方法」を教えてくれる本です。
 歯を失う2大原因といわれているのは、虫歯と歯周病だそうです(原因の90%近く)。だから、問題となる生活習慣(食習慣や歯みがき)を改善すれば、虫歯や歯周病とは無縁の生活を送ることができるのだとか。でも、一度身体に染みついた生活習慣を正すことは簡単ではありませんよね……。
 また、最近の歯科学の研究で、意外な生活習慣が歯の健康に悪影響を与えていることが分かってきました。それは「無意識のうちに上下の歯をつけるTCHという癖」です。仕事に熱中しているときに「無意識に歯をくいしばっている」ことがないでしょうか? 実は私自身、時間に追われる仕事をしている時に、同僚から「奥歯をかみしめている」と指摘されたことがありました。文字通り、「歯をくいしばって頑張って」いたようです(汗)。TCHはコンピュータ作業をしているホワイトカラーに多い症状のようです。これを続けていると、歯に恒常的に負荷がかかってしまうので、歯が弱くなってしまうそうです。
 この本では、このTCHを克服する具体的な方法を教えてくれます。TCHの克服のためには意識して「歯を離す」よう心がける必要があるのですが、そのためには、自分の身の回りに「離してる?」と書いた紙を貼り、それが目に入るたびに、「歯を離す」行動をするのだとか(笑)。これ、意外に効果的なようです。親切なことに、この本には、特別付録1「歯 離してる?」シールがついています。ヨシタケシンスケさんのユーモラスなイラスト&メッセージで、「歯を離す」ことを思いだせる小さい素敵なシールです。TCHに心当たりのある方は、机の周りにいっぱい貼りましょう☆
 そして「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」は、次の方法です。
1)歯の接触時間を極力減らす(TCHの方は、「歯を離す」よう心がける)
2)砂糖をできるだけ控える食生活をする
3)最低1日1回ていねいに歯みがきをする
4)3カ月に1回、歯周病管理のために歯科医院に通う
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 個人的には、歯はできるだけ抜きたくないし、歯科医院にもあまり行きたくないと思っているのですが(汗)、「第7章 実は一番大事なのは歯科医院選び」には、次のような文章がありました。
「最初の受診時に歯科医の姿勢に疑問を持つようでしたら、歯を抜く、削るといった侵襲性の高い治療を控えることが肝心です。一度抜いた歯や削った歯は元に戻せません。」
 ……確かに、そうですよね。
 そして意外なことに、「健康保険証が、必ずしもあなたの歯を守ってくれるわけではない」そうです。実は、健康保険制度にはいろいろな問題があるようなのです。
「虫歯や歯周病でダメージを受けた歯を抜くことなく、できるだけ長く使うためには、歯科医の経験や技術が必要なのですが、現行の保険制度はこれを評価するシステムが存在しません。皮肉なことに、技術力のない歯科医のほうが、治療回数や治療する内容が増えるため、懐に入る医療費も増える可能性が高まります。誤解を恐れずに言えば、たくさん削り、たくさん抜く治療のほうが、保険から診療費を多く請求できるのが現在のシステムです。(後略)」
「(前略)一部の悪質な歯科医のために良心的な治療ができないとしたら、それこそ「角を矯めて牛を殺す」ことになります。保険診療のさまざまな矛盾点に悩みながらも、骨身を削って診療を行っているベテラン歯科医もおられますが、すべての歯科医にこうした善意を期待するのは無理があります。(後略)」
 うーん……。良心的で腕のいい歯科医の方が、一番評価される制度になってくれることが、本当の意味で国民の健康を守ることにつながり、日本の社会全体を良くしていくことになると思うので、少しずつでも、健康保険制度を良い方向に変えていけたら、と思います。
 さて、この本には、その他にもインプラント治療の危険性など、参考になる情報がたくさんありました。巻末には、TCH是正療法ができる医療機関の他、「特別付録2 歯磨きポスター」、「特別付録3 ワンポイントアドバイス・ポスター」もついていて、実践的に役に立つと思います。ぜひ、読んでみてください。
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 木野さんたちは、他にも『歯科医院で取り組むTCHコントロール入門』、『自分で治せる! 顎関節症』などの本を出しています。
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 別の作家の本ですが、『一生噛める歯 元気な歯 自分の歯を守る最新予防メソッド』、『子どものむし歯予防は食生活がすべて 4人の子どもに歯を磨かせなかった歯科医の話』、『むし歯ってみがけばとまるんだヨ 削って詰めるなんてもったいない!』など、歯の健康を考える上で参考になる本は多数あります。
 なお社会や脳科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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