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第1部 本

哲学

14歳からの哲学 考えるための教科書(池田晶子)

『14歳からの哲学 考えるための教科書』2003/3/20
池田 晶子 (著)


(感想)
 14歳からの「考える」ための教科書です。この本は、中学・高校生の方が「哲学」を始める、とても良いきっかけになると思います。
 本の構成(目次)は次の通りです。
1 14歳からの哲学A
 「考える」「言葉」「自分とは誰か」「死をどう考えるか」「体の見方」「心はどこにあるか」「他人とは何か」
2 14歳からの哲学B
「家族」「社会」「規則」「理想と現実」「友情と愛情」「恋愛と性」「仕事と生活」「品格と名誉」「本物と偽物」「メディアと書物」
3 17歳からの哲学
  「宇宙と科学」「歴史と人間」「善悪」「自由」「宗教」「人生の意味」「存在の謎」
(なお、1、2章は14歳から、3章は17歳からとなっていますが、これは、3章は、やや大きい視野が必要かと思われたためだそうです。)
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 哲学とは「世界や人間についての知恵・原理を探究する」学問、簡単に言うと「考える」学問です。
 ところで「考える」ということや、「考えてわかる」というのは、勉強したことがテストに出て「解けた=わかった」というのとは少し違います。教えられた正しい知識が身についている意味の「わかる」のと、哲学的に「考えてわかる」のでは違うのです。
 哲学の「考える」には答えはありません。自らに問いかけること、それを考え続けることが哲学です。だからもちろん、この本にも答えはなく、例えば「心はどこにあるか」というテーマ(問いかけ)だけが提示されていきます。
 でも、例えば学校の課題などで、「心はどこにあるか」という問いを与えられて、さんざん考えたあげくに、「実はこの問題には正解はなかったんだよ」と言われたとしたら、なんか「考えて損した」という気がしませんか?(汗)
 でも、答えがないからと言って、考えたことに意味がないということはないんだな、と感じさせられました。
 自分自身の頭で、何かについて徹底的に「考える」ことは、とても大切なことです。考えに考えて、何かについて自分なりの結論を出すことや、結論は出せないながらも考え続けることは、頭を使うトレーニングになり、なにか問題が発生した時に、より合理的な判断が出来るようになります。さらに「正しい」こととは何かを考え続けると、自分なりの信念を持つことができるようになり、自分自身の内面的な「核」を形成するのにも役立っていくと思います。
 この『14歳からの哲学 考えるための教科書』は、「考える」ことを始めるための素晴らしいガイドブックになります。14歳以上の方には(もちろん100歳の方でも)、一度は読んで欲しいと思います。きっと、さまざまなことを「深く考える」きっかけになることでしょう。
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 池田晶子さんは、他にも、この『14歳からの哲学』をより読みやすくエッセイ風にした『14歳の君へ―どう考えどう生きるか』や、戦争・自殺・ネット心中などの「死」を中心テーマとした『41歳からの哲学』などの本を出しています。
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 また他の著者の本ですが、この本と同じような哲学的な考え方へのガイドブックには、『14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト』、『子どものための哲学対話 (講談社文庫)』などがあります。
 そして哲学全般を広く知りたい方には、『世界十五大哲学 (PHP文庫)』や、漫画版の『まんが 哲学入門――生きるって何だろう?』、『まんがで学ぶ 哲学入門』などもあります。

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