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第1部 本

描画技術

風景デッサンの基本(湯浅誠)

『風景デッサンの基本 (ナツメ社Artマスター)』2013/11/8
湯浅 誠 (著)


(感想)
 きちんとした風景画を描きたい人のために、デッサンの基本から、透視図法、パースの理論、人物の背景とサイズのバランス、自然の描き方まで、イラストで詳しく解説してくれる本です。
 実を言うと、「風景デッサン」というのは、風景スケッチと同じようなものだと勘ちがいしていたので(汗)、この本で徹底的に解説される「透視図法」「アイレベル」「消失点」「パース」などを見て、あれ?これって美術技法書かと思ってたんだけど、漫画の描き方の本だったっけ?と驚かされました。なんと人物すら立方体に入れて、きちんとしたバランスで描く方法を教えてくれるのです(笑)。
 風景を描く時には、両手の親指+人差し指で四角形の枠をつくって描く場所を決めて、画用紙にアタリ線をいくつか描いて、それを参考に景色を写し取っていく……みたいなごく一般的な方法を教えてくれるのだと思っていたので、うーん、こんなにきちんとした建築模型図みたいな描き方を知りたかったわけじゃないんだが……と困惑しながら読み進みました(汗)。
 でも……この本を参考に描くと、誰でも、きちんとした「歪みのない」風景画を描けるようになると思います。特に建物を描きたい方にとっては、すごく参考になると思います。不動産のCMに出て来るような綺麗な街並みだって描けそうです。こんな風にきちんと描けたら、アニメーションの風景みたいに、人間(視点)の動きに合わせて、自然に角度を変えた風景になってくれそうに思えるほどです(笑)。もちろん建物だけでなく、樹木や岩、海や山の描き方、さらに階段や自動車、自転車、人物なども豊富なイラスト事例で教えてもらえます。
 個人的には、風景画は「見えたように描く」ことが大事で、心が沈んでいて風景が暗く歪んで見えるなら、歪んだ風景になってもいいのだと思います。それでも、技術的な未熟さのために「歪んで」しまうことに困っている方なら、この本を読むと、飛躍的に技術を改善させられそうだと思います。また、漫画やアニメの背景を描きたい方にもお勧めします。
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 別の作家の本ですが、『鉛筆ドローイングレッスン:スケッチ・イラストのための』、『風景描写上達テクニック: スケッチ・イラストのための』など、風景スケッチ力を向上させるのに役に立つ本は多数あります。

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