ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

ペーパークラフトの本(日本の作家)

折り紙

リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編、
1枚の紙からつくる驚きのアート リアル折り紙(福井久男)

『リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編』2016/7/27
福井 久男 (著)


(感想)
 イルカ、ダイオウイカ、ダイオウグソクムシなど水の中を泳ぐ生き物の、リアルさを追求した本格派の折り紙を教えてくれる本です。
「リアル折り紙」は、動物などを題材として、本物の姿になるべく近づけるように折る創作折り紙のこと。一見難しそうですが、各作品には「基礎折り」と呼ぶ段階があり、まずそれを折ってから、どんどんリアルで複雑な形に折っていくそうです。
 ペーパークラフトは好きなのですが、時間がかかりすぎる作品は作りたくない方なので、難しそうな折り紙の本はスルーしがちだったのですが(汗)、この『リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編』の表紙中央で妙に存在感を示している「ワニ」を見た時に、「これが家の廊下に何気なくいたら、みんなびっくりするかも……」と、いたずら心が沸きおこり、思わず手に取ってしまいました。もっともこの「ワニ」は難易度ランクが高くて、すぐには作れそうもなかったのですが……(汗)。
 リアル折り紙は、中~上級者向けの折り紙の本なので、初心者の方にはかなり難しい作品も多く、出来上がりまで数日かかるものもあるようです。
 それでも「ペンギン」や「キンギョ」のように、可愛くて見栄えがする割には意外に簡単に出来るものもあるようでした(とは言っても、初心者には難しそうですが……)。なお、この本では、山折り線に青、谷折り線に赤が使われていますが、逆の色使いをしている本も多いので、「折り方の記号」をよく確認して折ってください。
 このリアル折り紙は、折り紙ではあるのですが、完成後の形をよりリアルに整えるために「糊付け」をするなど、ペーパークラフトのような側面もあります。その他にも、足の部分に補強紙を貼るといいとか、胴体にティッシュペーパーを入れるといいとか、普通の折り紙ではやらないことも教えてもらえます(笑)。
 また用紙も「大型の和紙」が最適なようです。かなり複雑な折り方をするものが多いので、普通の折り紙用紙では折りにくいかもしれません。
 さらに用紙が薄すぎて強度が心配な場合に「用紙を補強する方法」として、CMC(カルボキシメチルセルロース)を塗布して使うやり方も教えてくれます。CMCはもともと皮革工芸用の粉剤だそうですが、500mlの水に20gのCMCを溶かして、特に薄い和紙に塗布し乾燥後に裁断すると、強度的に問題なく折り紙として使用できるそうです。この方法は、他のペーパークラフトにも応用できそうですね☆ なおCMCはクラフトショップなどで入手可能だとか(もっともアマゾンの商品説明によると、CMCは「タンニン鞣し革のコバ・床面の毛羽立ちを押さえる粉末状の磨き剤」で「用途以外に使用しない」で下さいと書いてありましたが……(汗)。)
 とても参考になる折り紙の本でした。折り紙上級者をめざす方は、ぜひ読んで作ってみてください☆
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『1枚の紙からつくる驚きのアート リアル折り紙』2013/12/17
福井 久男 (著)

 動物、恐竜、昆虫などを題材にして、本物の姿になるべく近づけるように折る創作折り紙の本。「リアル折り紙」シリーズ最初の本です。
『リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編』を読んで面白かったので、最初の本も読んでみました。表紙を見ても分かるように、この本には、動物・恐竜・昆虫など色々な生き物が題材とされています。
『リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編』で紹介されていた「折り方の記号」「部分折りの種類」「用紙について」や「用紙を補強する方法」などは、この本にもほぼ同じような内容のが記載されています。「のり入れの方法」は、具体的な方法の説明写真に、各本の中の作品(この本の場合は「いぬ」)が使われています。手順としては、各作品の「のり入れ開始」までは普通に折り進め、「のり入れ開始」の記載があるところで、いったん折り作業を中止し、用紙を静かに開いて広げ、のり入れをしてから元の形に折り戻し、次の工程へ進めるようです。ただ「のり入れ」は、どこに入れるのかの判断が少し難しく感じたので、できれば作品ごとにイラストで説明してくれると、もっと分かりやすかったのになと感じてしまいました。もっとも「のり入れ」は必須ではないので、各自で考えるべきものなのかもしれませんが……(汗)。
 さて、この本の中で、特に気に入ったのは「うさぎ」。表紙右下の可愛らしい小さい作品ですが、折り方の最初の部分が伝承の折り方の「鶴の基本形」と同じなので、これならなんとか折れそう(笑)。しかも出来上がりがすごく可愛いし、複雑そうにも見えるので、これを覚えておくと色々役に立ちそうな気がします☆
 また表紙上部の「くま」も、とても愛嬌のある姿で難しそうなのに、意外にも難易度は低めなのです。でも、背中に哀愁漂う「かえる」は、意外にも難易度がすごく高くて……無理そうな感じ(笑)。飾り兜はうまく作れたらプレゼントに良さそう。
 中~上級者向けの折り紙本ですが、ペーパークラフトの参考にもなる楽しい本でした。題材にも色々な種類の動物がとりあげられているので、このシリーズを初めて購入する方には、この『1枚の紙からつくる驚きのアート リアル折り紙』をお勧めします。
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 このシリーズには、他にも『リアル折り紙 空を飛ぶ生きもの編』、『リアル折り紙 陸を歩くいきもの編』などの本があります。
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 また『クラフト社 革工具 CMC 70g 2246』は、この本の「用紙を補強する方法」で紹介されている商品です。

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