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第1部 本

 IT

おうちで学べるセキュリティのきほん(増井敏克)

『おうちで学べるセキュリティのきほん』2015/7/3
増井 敏克 (著)


(感想)
 インターネットのセキュリティの基本や動向を、とても分かりやすく解説してくれる本です。
 しかも解説が、「やってみる(実習)」と「学ぶ(講義)」の二つの要素でできていて、まず実際にセキュリティに関する様々な要素を自分のPCでやってみて(実習)、その後にその要素についての詳しい解説(学習)をしてくれるので、「暗号化の仕組み」や「ネットワークの動き」なども実感として理解しやすいと思います。また、章ごとに確認問題もあるので、緊張感も保てます(汗)。
 さて、ニュースなどでセキュリティの攻撃事例を知ると、「他人ごとじゃない。セキュリティをきちんと学ばないと……」と思いますが、いざ「ネットワーク/Web/サーバーの仕組み」を学ぶとなると、IPsecだの、nmapだの、専門用語が頭の中で空回りして、いまいち「セキュリティ対策っていっても、現実にはどうやるのか」がピンとこない感じがしていましたが(汗)、この本では、自宅のPCでも本当にできる実習を教えてくれるので、すごく参考になりました。
 たとえば「自宅のネットワーク環境を見てみよう」という実習では、自宅のIPアドレスの確認の仕方を具体的に教えてくれます。また、その他の「ウイルスになったつもりでファイルを書き換えてみよう」、「パケットが流れる様子を見てみよう」、「不正アクセスを遮断しよう」などの実習も、すごく実践的だと感じました。
 セキュリティ対策というと、ウィルス対策ソフトにお任せという方も多いかと思いますが、それでも迷惑メールなどは容赦なく押し寄せてきます(汗)。この本でも、フィッシング詐欺の例として、東京三菱UFJ銀行を装った偽メールの実例が紹介されていますが、これに似たメールを私自身も受け取ったことがあります。その時は、文面に「貴様の口座情報が……」とありましたので、ははーん、中国からの偽メールだなと直感して送信元メールアドレスを確認したら、東京三菱UFJ銀行とは思えない変な文字列のアドレスだったので、やっぱりね、と偽メールであることを確信しました。このように「何か変だ」と思ったらメールアドレスやサイトのURLを確認してみると、ニセモノを見分けられることがあります。
 ……ただ、最近は、犯罪者もどんどん知恵がついてきて、本物っぽい文面やアドレスを使ってくるので、本当に注意が必要です。実際に私も「Amazon.com」というメールアドレスで偽メールを受信したことがあり、冷や汗が出ました。これについては、ニュースで「Amazon.com」偽メールが出回っていることを事前に知っていたし、メールの内容も自分にはまったく覚えのないことが書いてあったので、すぐに偽メールだと気づくことが出来ましたが……本当に、セキュリティ対策には気をつけなければ、と改めて痛感させられた出来事でした。
 セキュリティは他人ごとではありません。これからもセキュリティ関連のニュースや記事に注目して、自分に出来る対策は、しっかりやっていこうと思っています。
 そういう意味で、この本はとても役に立つと思います。専門用語がかなり多いのでパソコン初心者向けではありませんが、インターネットのセキュリティ全般について、とても実践的に分かりやすく解説してくれているので、ある程度パソコンとネットを知っている一般の方が、セキュリティを学ぶのに最適だと思います。お勧めです☆
 なお、この本の付録でも紹介されているのですが、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)がホームページで「安全なウェブサイトの作り方」という資料(PDF等)を提供していますので、興味がある方はぜひ読んでください。こちらも、とても参考になる内容です。
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 増井さんは、他にも『シゴトに役立つデータ分析・統計のトリセツ 実務のスキルをアップするビジネス数学の基本テクニック』などの本を出しています。
 またこのシリーズには他にも、『おうちで学べるデータベースのきほん』などがあります。
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 別の作家の本ですが、『超初心者のためのサイバーセキュリティ入門』、『小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識』、『セキュリティエンジニアの教科書』、『徳丸浩のWebセキュリティ教室』、『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践』など、セキュリティ対策の参考になる本は多数あります。
 なお脳科学やIT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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