ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

Puss in Boots

『洋書:Puss in Boots(英語)』2014/9/17
Charles Perrault (著), Clementine Sourdais (イラスト)


(感想)
 切り絵をつかったお洒落なしかけ絵本です。『Puss in Boots』は、日本語では『長靴をはいた猫』として知られた童話です。
 表紙の写真を見ると、猫と両脇の白い家の他に、猫の後ろに白い家があるのが分かりますが、この後ろの白い家は、実は2ページ目の切り絵の家が見えているのです。この本はイラストが切り抜かれていて、穴になっている部分から、それ以降のページが見えるようになっています。穴は表紙や裏表紙を含む全ページにあるので、後ろのページのイラストが見えることで、イラストに変化や奥行きが生まれるのです。
 しかもこの本は、長い一枚の紙を蛇腹に折り畳んであるので、屏風状に立てて飾って楽しむことも出来ます。
 色は、ポイント色として効果的に使われている黄の他は、白と黒とグレーのモノクロというシンプルな色彩で、本の上側2/3ぐらいが切り絵のイラスト、下1/3ぐらいが童話(英語)という構成になっています。それが本の表面で、裏面はすべて黒一色の影絵になっています。普通は表面を見せるように飾るのだと思いますが、影絵状になっているので、裏面を見せるように飾っても不思議な美しさを楽しめます(笑)。
 しかけ絵本としては小さくて軽く、いろいろな楽しみ方が出来るので、誰に贈っても喜んでもらえそうな素敵な絵本です(残念ながら、まだ日本語版がないようですが……)。
 ところでこの絵本、切り絵で出来ているので、当然ながら、穴だらけです。だから本棚に入れたり出したりする時に、他の本の角に引っかかって壊れそうな気がして心配になるのです。購入時にはビニール袋に入っていたのですが、ビニール袋は壊さないと読めませんよね……。上手なデザインなので、あまり引っ掛かりのことを気にしなくても良いのかもしれませんが、私はこの本のサイズの合うチャック付きの袋を用意して、それに入れて本棚にしまっています。でも出来れば、透明なケースに入れたものを売って欲しかったな、と思いました(汗)。
 それでも、こういう切り絵の絵本はすごく珍しいし、イラストも可愛い上に洗練された感じで、物語もハッピーエンドなので、お勧めです☆
(なお、このしかけ絵本は蛇腹に折り畳まれて作られていますので、以下のページ数は、厳密な意味ではページではなく、目安です。)
 *
・表紙:長ぐつをはいた猫の切り絵。
・1~2ページ目:長男は粉挽き小屋を、二男はロバを遺産としてもらったのに、猫をもらって不満げな三男。すると猫が「長靴と袋を下さい。そうすれば、あなたがもらったものが、そんなに悪いものでもないことが分かりますよ」と言う場面の切り絵。
・3~4ページ目:ウサギを捕まえる猫と、王さまの切り絵。
・5~6ページ目:水浴びしている三男の前を通りかかる王様の馬車、「カラバ侯爵が水浴びをしている最中に泥棒に持ち物を取られてしまいました」と王さまに訴える猫の切り絵。
・7~8ページ目:「カラバ侯爵の居城」に招待される王様たち、先回りした猫が、途中の百姓たちに、「ここはカラバ侯爵様の土地です」と言うように指示する場面の切り絵(本当はogre(オーガ)の土地)。
・9~10ページ目:オーガの城とオーガの切り絵。
・11~12ページ目:ライオンに変身したオーガ、ネズミに変身したオーガを食べてしまう猫の切り絵。
・13~14ページ目:城で会食する王様たちと三男と猫、お姫様と結婚する三男の切り絵。
・裏表紙:大きなハートと領地(家や城)の切り絵。
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 Sourdaisさんは、他にも、同じような形式の『Little Red Riding Hood (英語)』などのしかけ絵本を出しています。

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