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第1部 本

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新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本

『新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本』
2014/11/28
財団法人 仮想通貨総研 (著), 塙亮太 (著), 西泰弘 (著), 佐野稔 (著), & 1 その他


(感想)
 ビットコインなどの仮想通貨に関する入門書です。仮想通貨とはどういうものか、その種類や歴史などについて分かりやすく解説してくれます。
 代表的な仮想通貨のビットコインは、ナカモトサトシという人が、2008年10月に「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」という論文を発表したことで始まったそうですが、このナカモトサトシの正体はいまだに不明です。この話を聞くと、ビットコインはやっぱりすごく胡散臭い感じがしますが(汗)、システム自体は、通貨として、よく考慮された洗練されたもののようです。
 このビットコインが現実世界で使われた最初の取引は、あるエンジニアが1万ビットコインとピザ2枚の交換を呼びかけた時で、1ビットコインは0.4円ぐらいだったそうです。その後、上下変動を繰り返し、2014年頃は3~4万円ぐらいになったとか。最初の取引(0.4円)から比べると、この低金利時代に、もの凄い値上がりをしているので、「仮想通貨で一儲けしたい」と考える人も当然でてくると思いますが、この本には、「仮想通貨の儲け話」を見極めるポイントが説明されているので、参考になると思います。
 また、ビットコインは日本ではあまり普及していないようですが、海外ではかなり使われているようですし、他の仮想通貨も、基本的にビットコインと連動しているそうです。
 それでも、個人的にはまだ、仮想通貨をあまり使いたいとは思いません。「仮想通貨で一儲け」という話が来ても、もちろん断りたいと思います。なぜなら仮想通貨はまだ2016.02現在、「無法地帯」にあり、ハッキングなどで盗まれた時に補償もされないものだからです。また、日本円はかなり信頼できる紙幣だと思っているので、あえて仮想通貨を使う必要はないとも思います。
 ただし仮想通貨は、ネットでの決済をする時(特に海外との取引)などには、とても便利なシステムなので、今後は日本でも普及していくかもしれないな、とも感じています。だから、その時のために、今から知識をつけておくのは無駄ではないとも思っています。
 さて、この本の最後には、仮想通貨の先駆者へのインタビューが掲載されています。仮想通貨で儲けた実例などがありますが、その中で「アメリカの連邦捜査局FBIが、ネットサイト「シルクロード」を摘発し、約3万ビットコインを押収して、それを競売手続きで売却した」話が紹介されています。この話を、その方は、「国家の公的機関がビットコインを売却したというのは、通貨として法的に認めざるを得ない状況をアメリカ政府自らが作り出したと判断できます。」と書いていますが、私個人としては、そうではなく「FBIはビットコインを信用していないから、売れるうちに売り切った」のではないかと思います。仮想通貨の「うまい儲け話」を信じるかどうかは、読み手の判断にお任せしますが、「仮想通貨はまだ無法地帯にあり、暴落しても盗まれても補償されない状態にある」ことは忘れないで下さい。
 また、「リップル」という仮想通貨もかなり利用されているのようですが、これには「公式」と「非公式」があるそうです。この本を読むまで知らなかったので、「知識がないと、騙される可能性があるかも」と慄然としました。
 仮想通貨は、今後、普及していく可能性がかなり高いと思われるので、実際に使用する前に、仮想通貨に関する本や記事を読むことで、その特性や危険性をよく見極めておきたいと思います。
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 別の作家の本ですが、仮想通貨に関する本は他にも『これでわかったビットコイン: 生きのこる通貨の条件』など多数あります。

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