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第1部 本

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鏡の国のアリス

『鏡の国のアリス』2010/2/25
ルイス・キャロル (著), 河合 祥一郎 (翻訳)


(感想)
 あの『不思議の国のアリス』が、今度は、鏡の国を旅するユーモア・ファンタジー。傑作児童文学の続編です☆
 物語は、『不思議の国』への旅から半年後の雪の日に始まります。
 子ネコのキティ(『不思議の国』の猫のダイナの子供のようです)とおしゃべりを楽しんでいたアリスは、「ごっこ遊び」のつもりで暖炉の上の鏡をくぐり抜けてしまいます。ところがそこは、赤白のキングやクイーン、ナイトらの住むチェスの世界で……。
 前回は、地下のトランプの国でしたが、今回は鏡のチェスの国。チェスの駒人間だけでなく、双子のトゥイードルダムとトゥイードルディーや、卵人間ハンプティ・ダンプティなど、個性的なキャラクターがどんどん出てきます☆
 部屋の暖炉の上の鏡を通って『鏡の国』にやってきたアリスは、チェスの赤の王様と女王様が動き回っているのを見て……いつの間にかチェスゲームに入りこんでいきます。
 ここは「同じところにとどまっていたければ力のかぎり走らねばならない」国だと言う赤の女王に、進み方を教えられたアリスは、女王になるのを目指して動き始めるのですが、鏡の国だけあって、あらゆることが真逆。アリスの頭は(読者の頭も)混乱します。
 が、そこは度胸の据わったアリス、見たいものだけが見えない羊のお店を通り抜け、ライオンとユニコーンの戦いを観戦し……と、ヘンなイベントを着実にこなしつつ、女王への道をつき進んでいきます。
 今回の物語もさまざまな寓意に満ちているので、子供だけでなく大人が読んでも楽しく、物語のいろんな場所で、さまざまな教訓を見つけることが出来ます。
 しかも今回は、「チェス」「鏡(いろんなものが逆になる)」というキーワードがあるせいか、前回の『不思議の国のアリス』ほどの炸裂するデタラメ感はなく、整然としたデタラメ感(?)になっているので安心です(笑)。その分、面白さは、ほんの少しパワーダウンしているような気もしますが……(汗)。
 ともあれ、イギリス流の知的ユーモアをたっぷり味わえて、さまざまな教訓も見つけられるこの『鏡の国のアリス』。『不思議の国のアリス』とともに、一度はご覧になってください☆
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 キャロルさんの他の本、『不思議の国のアリス』に関する記事もごらんください。
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『鏡の国のアリス』は、『鏡の国のアリス―Through the looking‐glass』など英語で読む本もでています。
 また『鏡の国のアリスの算数パズル (やさしい科学)』も楽しい本だと思います。

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