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第1部 本

文学(絵本・児童文学・小説)

絵本・児童書(日本)

魔女の宅急便

『魔女の宅急便 (福音館創作童話シリーズ)』1985/1/25
角野 栄子 (著), 林 明子 (イラスト)


(感想)
 13歳の魔女キキが、はじめて訪れた海辺の町・コリコで始めた仕事は、空飛ぶ宅急便屋さん。彼女が、相棒の黒猫ジジとともに、仕事や周囲の人々との交流を通して成長していく1年を描いた物語です。
 この『魔女の宅急便』は、ジブリの名作アニメ『魔女の宅急便』の原作として有名で、実は私もこのアニメを見てから原作を読んだのですが、アニメはもちろんのこと、この原作もとても素晴らしい作品でした。
 アニメは原作の雰囲気をとてもよく表現していますが、内容は原作を忠実に再現したものではなく、かなり違ったものになっています。原作の『魔女の宅急便』は、短いエピソードの連続なのですが、アニメの方は、そのエピソードの一部分を使って再編成するような感じで、新しい話を作り上げているのです。
 つまり、すでにアニメを見ている方でも、まったく新しい気分で、この原作の『魔女の宅急便』も楽しめます。というか……アニメのあの可愛いキキやジジ、とんぼが、心の中で、いきいきと新しいエピソードで動き始めるような感じがするので……さらに楽しめるような気がします(笑)。
 例えば、アニメの重要なシーンで出てきたあの時計塔は、原作では違うエピソードで登場します。この宅急便の仕事の途中で、お気に入りの腹巻をなくしたとヘコんでいるジジに、キキが言う「あたしたちの運んだもの」……とても素敵でした。
 そして、アニメのキキはかなり真面目な感じの女の子でしたが、原作の方では、かなりお茶目で豪快な性格をしているような気がします。列車から楽器をおろし忘れたという音楽家たちのために、キキとジジが列車で繰り広げる冒険活劇! この命がけの仕事でキキが得た報酬とは……? とても、わくわくさせられるお話でした☆
 物語の最後は、この1年の修行(?)の後、里帰りしたキキが、再び港町に戻ってくるシーン。
 *
 「ほら、あたしたちの町よ」
 キキは指さして叫びました。
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 この後のページをめくって……上空から眺める海辺の町・コリコが、実際に目の前に広がったとき、思わず(キキになりきって)胸がいっぱいになりました☆
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 この作品には、続きがあります。第二巻では、キキは14歳、第三巻では16歳、そして完結編の第六巻では、なんとお母さんになります! これらを通して、とんぼとの恋のゆくえや、子育ての悩みまで読むことができます(笑)。
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 この記事では福音館書店の単行本版の『魔女の宅急便』を紹介しましたが、もっと手軽な文庫本版も出ています。以下の商品リンクでは、単行本版はこの『魔女の宅急便 (福音館創作童話シリーズ)』だけを紹介し、1~6巻まで、文庫本版(『魔女の宅急便 (角川文庫)』、『魔女の宅急便 2キキと新しい魔法』、『魔女の宅急便 3キキともうひとりの魔女』、『魔女の宅急便 4キキの恋』、『魔女の宅急便 5魔法のとまり木』、『魔女の宅急便 6それぞれの旅立ち』)を紹介しています。
 また『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』は、アニメ映画『魔女の宅急便』について内田樹さん、上野千鶴子さん、青山七恵さんなどが解説してくれるもので、松任谷由実さんと宮崎駿さんによる貴重な対談も再録されています。
 そして『魔女の宅急便 [Blu-ray]』は、スタジオジブリの人気アニメのBlu-rayです。なんと、音声・字幕を日本語以外にも、英語、フランス語、中国語で楽しめます☆

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