ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

ピーターとおおかみ(セルゲイ プロコフィエフ)

『和書:ピーターとおおかみ (ぶたいしかけえほん)』1991/5
セルゲイ プロコフィエフ (著), バーバラ クーニー (イラスト), & 1 その他


(感想)
 ロシアの作曲家、プロコフィエフさんの『ピーターとおおかみ』を題材にした、舞台型しかけ絵本です☆
 『ピーターとおおかみ』は、ロシアの民話を基にした物語の台本をプロコフィエフさん自身が書き、ナレーターつきの「子供のための交響的物語」として作曲したものです。とても有名な曲なので、音楽の授業などで聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
 ピーター少年が悪いおおかみをこらしめる、という内容の物語で、登場人物(動物)それぞれがオーケストラの特定の楽器によって受け持たれ、青少年へのオーケストラの楽器紹介(音楽教育)としても活用されています。それぞれに固有の主題が割り当てられていて、小鳥(フルート)、アヒル(オーボエ)、お祖父さん(ファゴット)などと、登場人物にふさわしい音色の楽器で演奏されているのが、とても楽しい素晴らしい音楽です。
 このしかけ本は、古いロシアの風物詩を繊細なタッチで描いてあり、『ピーターとおおかみ』の曲を聞かせながら、子供たちに読み聞かせが出来るような、舞台型しかけ絵本になっています。
 一部のしかけを手動で動かせる仕組みがついているのですが、子供たちに本を見せながら動かしやすいよう、舞台の下に四角柱をつけてあり、その穴に指を入れて、左右にスライドさせる構造になっています(割と珍しい構造です)。単純なプルタブ構造を利用して、しかけを動かすと、本の向きによっては、しかけが壊れやすいので、それを避けたのでしょう。また上下にページを開いている間、本のページが閉じないよう、左右のページの上隅を止められる紐がついているなど、細部まで細かい配慮が行き届いています。

・1ページ目:表紙(しかけなし)
・2~3ページ目:森の牧場の家の前でおじいさんにお説教されるピーター(森の家の飛び出すしかけ。穴をスライドさせると、おじいさんの腕が上下に動きます)。
・4~5ページ目:森から姿を現した灰色のおおかみに襲われるアヒル(大木の前のおおかみとアヒルの飛び出すしかけ。穴をスライドさせると、おおかみがアヒルに襲いかかります)。
・6~7ページ目:小鳥の協力で、ピーターは木の上からおおかみをロープで捕まえます。(大木の飛び出すしかけ。穴をスライドさせると、捕まえられたおおかみが、もがきます)。
・8~9ページ目:おおかみを捕まえたピーターと狩人の、動物園へと勝利のパレード。(沿道の大きな家の飛び出すしかけ)
・10~11ページ目:にぎやかな動物園。大勢の子供たちに見物されるおおかみ。(動物園(透明シートを使った檻のなかのおおかみ)の飛び出すしかけ)。
   *   *   *
 この本は残念ながら絶版のようですが、舞台型しかけ絵本には、他にも『ブラボー、アンジェリーナ』、『ディズニーの真髄』、『アラジン』など素晴らしいしかけ絵本があります。

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