ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(日本の作家)

でんしゃでいこうでんしゃでかえろう

『でんしゃでいこうでんしゃでかえろう』2002/1/1
間瀬 なおかた (著)


(感想)
 絵本を読むことで、電車で旅をしている気分になれる絵本です。
 最初のページを開くと雪の降る山の駅の前にいます。さあ、これから電車の旅が始まります。
 ページをめくると、遠くに雪山のある村を電車は走っていきます。子供たちが雪合戦したり雪だるまを作ったりしながら、通り過ぎる電車に歓声をあげます。
 そして電車はトンネルへ……そして遠くにトンネルの出口の風景が見えて……
 トンネルを出ました。視界がぱあっと開けて、電車は一面の雪原を走っていき、遠くにトンネル入り口が見えます……。
 こんな風に、ページをめくるごとにトンネルに入り(ページに穴が開いているので、トンネルの中から見える風景は、実際に次のページの風景の一部です)、次のページでトンネルを出て、新しい風景が広がっていくという構造になっています。雪山の駅から、菜の花が咲く海の駅までの旅……。ととん・ととん・・という電車の音が聞こえるようです。
 トンネルの中では、乗り込んだ家族が電車内でいろんなことをしているのがよく見えます(もちろん、ずっと同じ家族たちです)。雪から菜の花へと変化するので、一見、四季が変化したかのようにも見えますが、ずっと同じ家族が同じ服装で乗っているので、これは、山からふもとへ、北から南への気温の変化でしょう。この本は、風景は俯瞰で丁寧に描かれ、トンネル内は楽しい家族の様子が描かれているので、いろいろな物の名前や風景の様子を楽しく学ぶことができます。北の方が南の方よりも、山の方がふもとよりも気温が低いことや、トンネル内では車内の方が明るいので家族の様子が良く見えること……何度も見ると、そのたびに新しいことに気づくことが出来ると思います。
 そして最後のページは春の香りのする海の駅。そこからまた電車に乗って、今度は後ろからページをめくることで、雪山の駅にもう一度戻るのです!
 不思議なことに同じページを同じ方向から見ているのに、行きと帰りで、なんとなく違う風景に見えます。視点の方向が違うからだとは思いますが……。
 この絵本はこうしてエンドレスに読んで楽しむことが出来ます。戻って来られなくなることに注意しましょう☆
   *   *   *
 間瀬 なおかたさんは、この他にも、『でんしゃのたび』、『おとどけものでーす!』、『はしれはしごしゃ』、『バスでおでかけ』、『ドライブにいこう』、『やあめのひのえんそく』などの子供向けの人気の絵本を出しています。
 また、別の作家の本ですが、列車や鉄道に興味のある方には、蒸気機関車や電車の動く仕組みを教えてくれる『どうなってるの?きしゃとでんしゃのなか』や、列車の歴史に関するしかけ絵本『伝説の旅 列車の歴史』などもあります。

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