ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

動く&錯視錯覚の本

錯視錯覚絵本

Round Trip(光の旅 かげの旅)

『洋書:Round Trip(英語)』1990/10
 Ann Jonas (著, イラスト)

『和書:光の旅 かげの旅 (絵本の部屋―しかけ絵本の本棚)』
1984/1
 アン・ジョナス (著), 内海 まお (翻訳)


(感想)
 この本には「飛び出す」ようなペーパークラフト的なしかけはいっさいありません。なので、厳密にはしかけ絵本とは言えないのかもしれませんが、目の錯覚を利用している面白い絵本なので、ここで紹介させていただきます。
 この絵本は、上下を逆にして見ても、きちんとした構図の絵になるという騙し絵の手法で描かれています。
 まず白い方が上になるようにしてページをめくりましょう。すると宵闇が始まる頃の森や町並み、ビル街や山、送電線の続く田園地帯などの風景が目の前に広がっていきます。

 そして最後のページまでいったら、今度は上下をひっくり返してページをめくってみましょう。すると今度は夜の風景が続いていくのです。それも単純に同じ風景が夜景になるわけではありません。映画館がレストランになったり、草原が豪雨になったり……作者のさまざまな工夫を楽しむことが出来ます。
 これらの騙し絵が32ページにわたって続きます。目の錯覚について考えたり、説明したりするのには最適な本だと思います。
   *  *  *
 また、別の作者(ウォルター ウィック)の本ですが、この本と同じように目の錯覚を楽しむ本として『視覚ミステリーえほん』などがあります。
 さらに別の作家(セーラ・L. トムソン)の本ですが、『終わらない夜』、『どこでもない場所』、『真昼の夢』など、騙し絵風のイラストを使った絵本もあります。この作家のイラストは、じっと見つめていると、音がしない静寂の世界にいつの間にか入り込んで、絵の中の見えないものまでも見えてくるような、感覚がしだいに研ぎすまされていく、不思議な印象を与えてくれます。
 その他にも、『だまし絵サーカス』、『アヒルだってば!ウサギでしょ!』など、だまし絵を使った絵本は色々あります。

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